毎年、冬になると乾燥肌に悩まされます。
正しいケアを教えてください

お顔はもちろん、
ボディの保湿ケアも大切です。

佐藤 薫先生

かおるクリニック院長。形成外科学会認定専門医。
昭和大学医学部卒業の後、昭和大学藤が丘病院形成外科・麻酔科、昭和大学形成外科、埼玉県立小児医療センター、虎ノ門病院形成外科などを経て、自身のクリニックを開業。日本形成外科学会専門医。経験に基づく知識や技術をもとに最新医療を取り入れ、形成外科・皮膚科・美容皮膚科としてひとりひとりの肌の悩みに応じた治療法を提案。スキンケアの指導にも力を入れている。

カサカサ肌や冬ニキビ、突然の敏感肌など、冬の肌トラブルは「乾燥」が最大の原因

──「急にいつもの化粧品が合わなくなる」とか、冬は意外な肌トラブルに見舞われる気がします。

多くの冬の肌トラブルの原因は、ほとんど「乾燥」を原因とするものが多いのです。外気の湿度が低い上に、室内もエアコンにより乾燥しているという「逃げ場」のない状態ですから、1年のうち最も保湿ケアに重点を置くべき季節であることは間違いありません。
乾燥により潤いを失った表皮はめくれ上がるような状態になり、大切なバリア機能が低下、ホコリなどだけでなく化粧品の成分にも過敏に反応し、敏感肌になってしまうことも。
一方で、肌には修復機能がありますので、表皮を守るために自身で肌を「角化」してしまい、逆に毛穴のつまりなどを引き起こしニキビになってしまうことも実は多いのです。
また、トラブルを感じると「もっとお手入れをしなくては」と思うあまりに、過度にクリームを塗り込んだりする方も少なくありません。それにより塗り込む指の摩擦でさらに表皮を傷つけてしまうこともあり、こうなると悪循環に陥ってしまいます。
保湿ケアは日々の積み重ね。日常的に「正しく」行うことが何よりも大切といえるでしょう。

「ボディにも化粧水を」と、おすすめしています

──冬になると身体の痒みやひどい乾燥にも悩まされます。

冬は1年のうちで最もボディの肌トラブルが多い季節です。いわゆる「粉ふき」の状態になったり、腕や足、背中などの痒みや肌荒れに悩まされる方、多いですよね。ここで誤解されることが多いのが、「機能性インナー」の影響についてです。「化学繊維が肌に悪い。綿の下着にすべき」などと安直に語られがちなのですが、そういうことではありません。乾燥して水分量を失ったお肌は静電気を発生させやすくなり、その静電気が肌をチクチクさせてしまう。それが気になるので無意識のうちに肌を掻いたりこすってしまう、その繰り返しにより表皮は傷つきバリア機能を失い、ますますトラブルを引き起こすという「負のサイクル」が発生してしまうのです。 確かにコットンなどの自然素材は静電気を引き起こしにくくはありますが、悪化する原因は化学繊維ではなく、乾燥している自分の肌なのです。ですから、保湿をたっぷり施すことによって、ほとんどの場合機能性インナーも安心して着用できることができるはずです。
実際のところ、ウールなどチクチクする素材を素肌にそのまま着る方がお肌には刺激になりダメージは大きいのです。ツルツルして刺激の少ない機能性インナーは、むしろお肌を保護してくれる側面があります。充分に保湿した上で、上手に取り入れて頂きたいですね。

──ボディケアの方法も教えて頂けますか?

お風呂上がりにボディクリームを塗ることはみなさんけっこうやられていると思いますが、私が患者さんにおすすめしているのが、ボディにも化粧水を使うこと。そもそも水分量が足りていないところにクリームだけを塗り込んでも、あまり効果がありません。まずは化粧水で水分補給をし、肌をふっくらさせたところでボディクリームを塗ることで、驚くほど保湿効果が高まります。
もちろんボディにあまり高価な化粧品を使うことは躊躇してしまうと思いますが、手頃な値段で良質の化粧水を探して、特に乾燥が気になる箇所だけでもぜひ実施してみてください。特にお風呂上がりだけではなく、朝・晩の1日2回ケアをして頂くのが理想です。忙しい朝はなかなか難しいかと思いますが、肘から先と膝から足下まででもかまいません。服を着替えるタイミングにでもボディクリームを塗る習慣をつけて頂ければと思います。

冬になると怠りがちな洗顔、そして紫外線ケア

──冬は日焼け止めを使わない、という方も多いようですが?

患者さんから「え?冬も日焼け止めをつけるんですか?」と言われること、けっこう多いんですよ。もちろん紫外線が少ない季節ではありますが、全くケアしていないと、充分に日焼け止めケアをしている夏よりもダメージを受けてしまうケースがけっこうあります。
患者さんには、年間を通じてスキンケアの必須プロセスとして習慣化してみたら?とアドバイスしています。
また、冬になると洗顔がおろそかになる傾向があるように思います。「寒いから」とか「夏ほど汗もかいていないから」というような理由だったり、また忘年会や新年会シーズンなどで夜遅く帰ってそのまま寝てしまった、なんてことも増えますよね。ですが、乾燥しているようでも小鼻のまわりには皮脂が出ていたり、化粧品や汚れが付着したままにしておくことは、やはり肌トラブルにつながります。きちんと洗顔して肌をリセットした上で、適切に保湿ケアをするよう心がけて頂きたいと思います。