「毎日の習慣になっているスキンケア、
本当に自分に合っているのか気になります」

「間違ったお手入れが肌トラブルや老化の原因に。
美容皮膚科医が医学的見地から
「肌に効かせる」ケア方法をアドバイスします。」

日比野 佐和子先生

医療法人康梓会Y’sサイエンスクリニック広尾統括院長。美容皮膚科医、内科医、眼科医。大阪大学医学部大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学講座特任准教授。再生医療、美容皮膚科治療、アンチエイジング療法を専門とし、“美のカリスマ”としてメディアにたびたび登場。研究者としても第一線で活躍する。著書に、『オトナ女子の「美肌」づくり百科』(ぴあ)、『幹細胞活性化で若返り!』(講談社)ほか多数。

【クレンジング&洗顔】メイク時はW洗顔が鉄則。朝も洗顔料を使って洗いましょう。

──様々なタイプのクレンジング剤や洗顔料があり、どんなふうに使うのが正しいのか迷っています。

洗顔はスキンケアの基本中の基本。にもかかわらず、皮膚科医から見ると、間違った洗顔方法を習慣化している人が意外に多いことに驚かされます。このプロセスをおろそかにすると、その上からどんなに高機能の化粧水や美容液を使っても台無し。まずは、正しい洗顔方法を身につけましょう。クレンジング剤は洗い流すタイプのものを選び、その後はしっかり泡立てた洗顔料でW洗顔を。

■朝の「水かお湯だけ」洗顔はNG、必ず洗顔料を使う
特に夏などは、「朝の洗顔は、水やぬるま湯で洗うだけ」という人が多いのですが、これはNG。寝起きの肌には睡眠中に分泌された皮脂汚れや角質がたまっています。これらが毛穴に詰まったまま酸化するとシミやシワなど、お肌の老化を招きますので、朝も必ず洗顔料を使って洗う習慣をつけましょう。

■すすぎ残しは、毛穴のつまりや雑菌繁殖の原因に
クレンジング剤や洗顔料がお肌に残ると乾燥や毛穴のつまりの原因となり、ニキビや毛穴の黒ずみ、雑菌繁殖を引き起こします。後から使う化粧水や乳液の浸透も悪くなるので、念入りに。体温より少し高めのぬるま湯で丁寧に行ってください。

■拭き取りクレンジングの日常化は危険!
シートタイプのクレンジング剤はお肌をこすってしまい、シワやたるみができやすくなります。旅行先などたまになら構いませんが、拭き取った後は必ず洗顔料で洗ってください。オイルタイプやクリームタイプのクレンジング剤に含まれる油分が肌に残って酸化すると肌荒れの原因になります。

【化粧水&乳液、クリーム】ベタつきが気になる夏でも、保湿ケアは欠かさない

──夏のスキンケアはさっぱりと化粧水だけではダメですか?

乾燥肌の人はもちろん、オイリー肌の人も洗顔後はすぐにお肌にたっぷりの水分を与えることはもちろん、蒸散による乾燥を防ぐために油分の補給も大切です。肌が乾燥するとそれを補うためにさらに皮脂分泌が多くなり、ベタつくという悪循環を招くからです。季節、肌質を問わず、化粧水+乳液やクリームによる保湿ケアは怠らないでください。界面活性剤や防腐剤不使用のものを選ぶといいですね。

■保水・保湿は入浴・洗顔後の5分以内がポイント
入浴や洗顔後の肌は急速に乾燥が進みます。とくに入浴後、5分以内で半分以上の水分が失われてしまうとも。肌がベタつきやすい夏の時期は、「しっとりしている」と勘違いしがちですが、エアコンや紫外線によってお肌は想像以上に乾燥している「隠れ乾燥」に陥りがち。水分と油分の両方をしっかり補ってあげましょう。

■ケアアイテムはハンドプレスで少しずつ浸透させる
化粧水や乳液は手のひらや指を使ってお肌を優しくプッシュするように浸透させます。コットンを使うと肌をこすってしまいがちなので、おすすめできません。クリーム状のものは、指先にとって少しずつ肌にのせ、軽くトントンと押さえて馴染ませます。

■肌質やパーツに合わせてケアを変えてみる
お肌の細胞活性化のためにも欠かせないスキンケアアイテムですが、たとえば天然成分、植物性のものが使う人にとって必ずしもベストとは限りません。自分の肌質に合ったものを選ぶためには皮膚科医などによる肌質チェックなども有効です。また、顔の中でも箇所によって肌状態が違うことも多いので、乾燥しやすいUゾーンや頬などは重ねづけをするなど、工夫してみてください。

日焼け止めはオールシーズン、さらに一日中使うものと心得て

──日焼け止めはいつぐらいまで使えばいいのでしょう。室内で過ごす時も必要ですか?

肌老化の原因の約8割は、紫外線によるもの。紫外線を浴び続けると、シミやシワ、くすみ、たるみなどの肌の悩みや肌のトラブルが発生しやすくなります。年齢を重ねることによる細胞の老化は仕方ないけれど、「光老化」は紫外線対策で防ぐことができますよ。

■夏はもちろん、冬も、室内で過ごす休日も紫外線対策を
春から秋の季節、外出時に日焼け止めを使う人は多いでしょう。でも、室内では窓から入り込む紫外線、冬の日差しも侮れません。紫外線対策はオールシーズン、そして外出しない休日も必須です。塗ってから肌に馴染むまで30分くらいかかるので、メイクをする場合は少し時間をおくのがポイント。ご参考までに私の場合、起床してからすぐに、スキンケアと日焼け止め→朝食の後片付けなどの家事→メイクというルーティーンにしています。

■日常使いやレジャー使いなど、SPF値はシーンに合わせて選ぶ
日焼け止めの紫外線防止効果を示す「SPF(Sun Protection Factor)」値。主にUV-B(紫外線B波)の防止効果を表す数値で、日本では、1~50+の数字で示されていますが、日焼けによる炎症をどのくらいの時間防止できるかを表しています。数値が大きいほど効果が長続きしますが、紫外線吸収剤が多く含まれるため、シーンに合わせてSPFやウォータープルーフや肌魅せ等機能を選んでいきましょう。

■仕事の合間の「塗り直し」は便利コスメを利用する
最近では、紫外線防止効果のある日中用の乳液や美容液、化粧下地やファンデーション、お粉なども多く見かけられるようになりました。オフィスで日焼け止めを塗り替えることは難しいケースもありますから、こういうアイテムをうまく組み合わせて利用するといいですね。

肌トラブルは一瞬、回復には3カ月。正しい知識とケアが美肌への第一歩

──最後に、正しいスキンケア情報を知るにはどうすればいいのでしょうか?

自己判断やネットで集めた「思い込み」情報を過信するのは危険。良かれと思って続けていたケアが、かえってお肌にダメージを与えていた例は少なくありません。正しい知識のもと、自分に合ったお手入れ方法選ぶことが大切です。いったんトラブルを起こした肌が元に戻るには約3カ月かかります。トラブルを感じたら、なるべく早く皮膚科医に相談するようにしてください。