──10代の思春期にできるニキビと、「大人ニキビ」はどう違うのでしょうか?
「大人ニキビ」という明確な診断名はじつはないのですが、20代前半以降にできるニキビをこう呼んでいます。思春期のニキビ(若年性ニキビ)は頬全体や額にでき、ぷよぷよして膿が出やすいのに対し、大人になってからのニキビは額や口まわり、あごや首などにポツリポツリとできて、硬くて芯があるような傾向があります。加齢により、でき方にも違いが出てきます。思春期には過剰な皮脂が排出しきれず毛穴をふさぎ、そこに細菌が繁殖してニキビになります。大人の場合、角質が硬くなることにより毛穴が硬く狭くなり、毛穴が詰まってできることが多いようです。硬く芯を持っているように感じるのはこのためです。
──額、鼻まわり、あごなど同じ場所に繰り返してできる気がします。
頬に比べザラザラして毛穴が目立つことからも分かるように、顔の中心の「Iゾーン」と呼ばれる部分は、もともと皮脂の分泌が盛んなところ。その中のどれかの毛穴が詰まりやすい性質を持ってしまうためだと思われます。
──毛穴が詰まりやすくなる原因を教えてください。体質も関係ありますか?
原因はひとつではありません。以下のような要因が重なってできるのが大人ニキビです。
- ・皮脂の過剰分泌
- ・生理前などホルモンバランスの乱れ
- ・不十分な洗顔が原因で化粧品や古い角質が肌に残る
- ・毛髪が触れたり、ほおづえをつくことによる刺激
- ・栄養のアンバランス、睡眠不足など生活習慣の乱れ
- ・胃の不調
- ・ストレス
これらが角質の硬化を招き、ニキビをできやすくします。体質に関しては、男性ホルモンの働きが強まると皮脂の分泌量が増えますので、その人のホルモンバランスが影響することはあるでしょう。
──チョコレートなどの甘いものはニキビの原因になりますか?
「チョコレートを食べるとニキビができる」といわれることがありますが、チョコレートの原料であるカカオが悪いわけではありません。配合されている砂糖などの糖分の摂り過ぎにより皮脂が過剰に分泌するのが原因です。チョコレートに限らず、糖質の摂り過ぎには注意が必要です。