──そもそも「審美歯科」って、虫歯や歯周病の治療などとは別に単独に施術してもらえるものなのでしょうか?
歯の審美治療を施すためには、まずは歯と歯肉の健康状態を整えることが大前提で、どんなに先端技術を用いて審美治療をしても、土台となる歯や歯肉が健康でなければ、口元の美しさを維持することはできません。
その中でも、虫歯や歯周病治療とともに私が重視しているのは「かみ合わせ」のバランスです。奥歯のかみ合わせが整っていないと顔のゆがみにつながり、お顔の輪郭のバランスが悪くなる、お顔の片方だけエラが張る、口輪筋の機能低下により口角が下がる、など美容面にも影響を及ぼします。さらに、首や肩のコリの原因にもなり、それが背中のコリにつながり、ひいては自律神経のバランスまで崩してしまいます。歯のかみ合わせのバランスが乱れただけで、健康面での大きなダメージに繋がることがあるのです。
そんな大切な「かみ合わせ」、「自分の場合は、どうなんだろう?」と不安になったら、簡単にセルフチェックできる方法がありますから、以下試してみてくださいね。
【かみ合わせのセルフチェック】
■鏡の前で「イー」と口を横に開き、上下の歯の真ん中がきちんと揃っているか確認する
→ずれがある場合、ずれがある側に顎が寄っている可能性があります。
■食いしばりや歯ぎしりをしていないかを家族に確認する
→ストレスを原因とするケース以外に、無意識にかみ合わせのズレを補正しようとしている場合があります。
■朝起きたときに倦怠感や首・肩のコリが取れにくいかを確認する
→夜間に食いしばりや歯ぎしりをしていると、首や肩の筋肉が緊張してコリの症状が出ることも。
■かみグセや身体の片側を下にして寝る習慣があるか、同じ側で重いものを持つことが多いかを確認する
→身体の使い方のクセにより筋肉のバランスが崩れ、かみ合わせの不具合を増幅させてしまうことがあります。
かみ合わせのバランスを正す治療は、歯への加重や重心の位置などを計測することから始まります。
その後、状態に応じて歯をミクロン単位で削ったり、かぶせものなどの再治療で歯の高さの微調整を行った後、必要に応じて夜間のみマウスピースを使用して頂き、バランスを徐々に整えていきます。マウスピースは夜間のみの使用ですので日常生活にも取り入れやすく、個人差はありますが多くの場合は3ヶ月~半年ぐらいで改善できます。