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シミ・そばかすの原因を知り、賢くお手入れしよう

河村優子先生プロフィール

【監修】 河村優子先生

渋谷セントラルクリニック院長。日本抗加齢医学会専門医、日本レーザー医学会認定医。アンチエイジングをコンセプトに、体の中と外から痩身や美容皮膚科をはじめとするさまざまな治療に取り組む医師。酒さ(しゅさ)、乾癬(かんせん)、にきび、アトピーなど、皮膚免疫疾患の分野においては、UCLA大学教授と提携したライフスタイルの改善と腸内環境に着目した皮膚治療プログラムを実践中。海外の再生医療を積極的に取り入れ、肌質改善などの治療を行ってきたことから、対症療法にとどまらない先端の統合医療の提供に尽力。

年齢を重ねると、気になってくるのがシミやそばかすです。増えてしまうものと諦めがちですが、正しいケアをすることで、新しいシミができるのを予防することやシミが濃くなるのを防ぐことができます。

今回のコラムでは賢いお手入れの方法や、シミの原因、シミが濃くなる理由について詳しくご説明します。

シミ・そばかすの基礎知識

そもそも、シミ・そばかすはなぜできるのでしょうか。ケアを始める前に正しい基礎知識を身に着けて、よりよいケアができるようにしましょう。

シミ・そばかすとは?

シミやそばかすは「メラニン色素」が肌に沈着することでできるものです。肌の上に茶色っぽい斑点が浮き出たり、時には広い範囲で表れたりします。

日光を浴びている女性イメージ

シミ・そばかすの原因・仕組み

1.シミ・そばかすの原因は?
メラニン色素は紫外線から肌を守るために分泌されるもので、役割を終えれば新陳代謝によって古い肌細胞と共に排出されます。ところが、メラニン色素が過剰に分泌されたり、ターンオーバー(肌の新陳代謝)のサイクルが乱れたりすると、排出しきれなかったメラニン色素が肌内部に残ってしまうことがあります。これが「色素沈着」であり、シミやそばかすの原因です。

シミのある肌図解

2.シミ・そばかすが生まれるメカニズム…ターンオーバーが乱れる理由
ではなぜ、ターンオーバーが乱れてしまうのでしょうか。その原因は、主に次の3点であると考えられています。
①寝不足やストレス、栄養が偏った食事、たばこやアルコール摂取など生活習慣の乱れ
②紫外線や空気の乾燥による外的な刺激
③腸内環境の乱れ

これらが長期間続いたり、重なったりした場合、ターンオーバーが乱れてシミができる確率が高くなります。

シミができてしまったら?種類に応じて適切にケアしよう

シミの状態は、人それぞれで異なります。「自分のシミに合ったケア」を探すためにも、どのようなシミ対策があるのか知っておきましょう。

<シミの対策1>医療機関で受診

「美容皮膚科」のある皮膚科やクリニックで、レーザー治療・光治療・ピーリングなどの治療を受ける方法です。費用はやや高めですが、即効性があり「すぐにでも治したい」と言う場合に有効です。
また隠れた病気が原因でシミができることもあるため、「突然シミができた」「短期間で明らかに濃くなった」「皮膚に痛み・かゆみ・膨らみがある」といった場合は医療機関への受診を検討してみてください。症状によっては、保険診療となる場合もあります。

<シミの対策2>セルフケアで改善を図る

医療機関を受診する前に、セルフケアでのシミ改善も重要となります。すでにできてしまったシミが気になる場合には、次のような方法があります。

①シミ・そばかすを抑える効果がある医薬品やスキンケア用品を利用する
市販されている医薬品には、シミを予防する成分を含むもの(厚生労働省認可済)があります。また、医薬部外品の基礎化粧品などにも、同じく厚生労働省に効果が認可されたシミが気になる方向けの製品があります。これらを上手に活用し賢くセルフケアを行いましょう。

②ビタミンなどを継続して服用する
サプリメントなどで栄養素を摂取する場合、次の成分を意識して摂ることをおすすめします。
・ビタミンC…メラニンの生成を抑える効果があります
・L-システイン…アミノ酸の一種で、メラニンをつくる工場にあたる「チロシナーゼ」という酵素の活性化を抑えます
・ビタミンE…肌のターンオーバーを促進する効果があります

シミができてしまったら図解

シミの予防対策は?

できたシミを改善すると同時に、シミを予防することも大切です。シミをつくる要因はさまざまなので、複合的に対策することが重要です。

<シミの予防対策1>紫外線対策

紫外線はメラニン色素の分泌を誘発します。そのため、「肌に紫外線を当てない」ことが重要です。日光が強くない季節でも、紫外線対策を忘れないようにしましょう。また、特に紫外線量が多くなる5月頃からは、短時間であってもメラニン色素の生成が激しく行われるので、通常以上に注意しましょう。

・UVカット(紫外線防止)用品、日傘、帽子、サングラスなどで、紫外線から肌を物理的に守る
・紫外線の強い時間帯を避けて外出する
・日陰を利用する
・日焼け止めを効果的につかう(定期的に塗り直す、日焼け止め効果が高いものを選ぶなど)

<シミの予防対策2>規則正しい生活習慣

◆睡眠時間の確保、正しい生活リズムを守る
十分な睡眠時間を取り、ストレスを溜めないように気を付けましょう。仕事や人間関係などのストレスを解消するのは難しいものですが、きちんとした生活を送り、気分転換をすることでストレスの度合いが減ることがわかっています。緊張状態にあると、肌を含めて体の疲労を回復する機能が妨げられるので、睡眠はたっぷり取るようにしてください。

◆アルコール、喫煙、カフェインを避ける
過度な飲酒や喫煙、カフェインの取り過ぎはシミの原因になります。これらはメラニンの分泌を増やす「活性酸素」を生じさせることで、シミが多くなる一因になります。

◆食事の時間や食事内容に気を付ける
体全体の調子を整えることが、シミ対策の重要なポイントです。食事の時間や食事内容を見直して、ビタミン・ミネラルを十分に摂取できるような、栄養バランスの取れた食生活を心掛けてください。

シミ予防図解

<シミの予防対策3>正しいスキンケアを心掛けよう

シミ予防には正しいスキンケアが大切です。特に重要なのは「保湿」です。シミ予防を考える際にはついつい美白成分が配合された化粧品に注目しがちですが、肌が乾燥しているとバリア機能が弱くなり、紫外線の影響を受けやすくなります。日頃の保湿ケアを心がけることがシミ予防には重要です。

また、長時間メイクをしていると乾燥や刺激で肌の調子が崩れやすくなるので、睡眠前にきちんとメイクを落としましょう。時々はノーメイクの日をつくって、肌を休ませるのも効果的です。
ただし、紫外線を避けるために日焼け止めはしっかり塗ることをおすすめします。

シミやそばかすは「肌トラブル」の一つですが、生活習慣を整えてきちんとケアをすれば予防や改善につながります。シミのない美肌を目指して、今日からでも取り組んでいきましょう。