【おトクなサービスのご案内】まとめ買いが10%OFF&定期お届け便が最大30%OFF

季節を問わず悩まされる乾燥肌。
スキンケアを見直して健康な肌に

河村優子先生プロフィール

【監修】 河村優子先生

渋谷セントラルクリニック院長。日本抗加齢医学会専門医、日本レーザー医学会認定医。アンチエイジングをコンセプトに、体の中と外から痩身や美容皮膚科をはじめとするさまざまな治療に取り組む医師。酒さ(しゅさ)、乾癬(かんせん)、にきび、アトピーなど、皮膚免疫疾患の分野においては、UCLA大学教授と提携したライフスタイルの改善と腸内環境に着目した皮膚治療プログラムを実践中。海外の再生医療を積極的に取り入れ、肌質改善などの治療を行ってきたことから、対症療法にとどまらない先端の統合医療の提供に尽力。

私たちの肌は、一年中さまざまな「乾燥リスク」にさらされています。夏は紫外線、冬は空気の乾燥に加え、暖房による乾燥もあります。季節の変わり目は「大気温の差」が乾燥を引き起こすことも多く、乾燥肌の悩みはつきません。

今回は、乾燥肌の原因を詳しく学び、どのような対策と予防をすればよいのかをご案内します。肌の乾燥を防ぐことで、さまざまな肌トラブルのリスクを回避することにつながります。適切な対策で、潤いのある肌を目指しましょう。

なぜ肌がカサつくの?乾燥肌の原因とは

なぜ肌は乾燥し、カサついてしまうのでしょうか。肌の仕組みも含め、原因を探ってみましょう。

皮膚のバリア機能が低下して潤いが逃げている

◆「乾燥肌」とは、どんな状態の肌?
文字通り「水分が足りなくなってしまっている肌」のことを乾燥肌というのですが、実は乾燥肌に不足しているのは水分だけではありません。皮膚の表面を覆う皮脂も足りなくなっているのです。

皮脂が不足していると、水分が蒸発しやすくなり、皮膚の表面からどんどん潤いが逃げてしまいます。また、水分が足りなくなると皮膚の表面を皮脂で補おうとするため、皮脂が過剰に分泌されることがあります。「乾燥しているのに肌がベタベタする」というのは、決して健康な状態ではありません。皮膚の水分・油分のバランスが崩れてしまっているのです。過剰な皮脂はニキビの原因となる場合もあります。

乾燥肌のイメージ

◆健康な肌は「バリア機能」がしっかりと働いている
健康な肌は水分と油分がバランスよく維持されている状態であるといえます。詳しくいうと、肌の表面にある「角質層」にある「角質細胞」が、アミノ酸などの「天然保湿因子(NMF)」と呼ばれる物質で潤っており、角質細胞と角質細胞の間はコレステロール、セラミド、脂肪酸などの「細胞間脂質」で満たされている状態が健康な肌状態です。

角質層の細胞や細胞間が潤っている状態であれば、肌を乾燥や刺激から守ることができます。健康な肌に成立しているこの機能を「肌のバリア機能」と呼びます。

◆乾燥肌は肌のバリア機能が低下している
乾燥肌の角質層では、角質細胞にある天然保湿因子や細胞間脂質が不足しています。つまり、バリア機能が低下し、外部から水分を奪われやすく、かつ、刺激も受けやすい敏感な状態となっています。このような状態では、肌荒れやかゆみなどの症状が出やすくなります。潤いを逃がさないようにして、さらに必要な水分や皮脂を補うためのケアが必要です。

健康な肌とバリア機能を低下した肌図解

バリア機能を低下させる原因は?

「肌の乾燥=バリア機能の低下」ということがご理解いただけたのではないでしょうか。次にバリア機能を低下させる主な原因をみていきましょう。

空気の乾燥
空気の乾燥が続く季節は、常に乾燥リスクにさらされることになります。これに加え、クーラーや暖房による乾燥が加われば、さらに肌への負担が大きくなってしまいます。過剰な乾燥、継続的な乾燥には健康な肌も耐えることができません。

紫外線によるダメージ
紫外線は肌を乾燥させるだけでなく、浴び過ぎれば肌の炎症の原因となります。肌を守るはずの皮脂は紫外線を浴びると酸化してしまい、本来の性質を失います。また、紫外線は肌のコラーゲンを破壊し、 肌細胞のDNAそのものにもダメージを与えることがわかっています。

肌のターンオーバー(新陳代謝)の乱れ
「新しい肌細胞が生成され、古い細胞が排出される」という肌の生まれ変わりの仕組みを、「ターンオーバー」といいます。ターンオーバーは加齢と共に周期が長くなるため、きちんと古い細胞を排出できないケースが増えていきます。これは誰にも起こり得る自然なことですが、加齢に関係なく、生活習慣の悪化などでターンオーバーが乱れてしまうこともあります。

バリア機能を低下させる原因図解

乾燥肌を予防するには?

では、乾燥肌を予防して健やかな肌を保つには、どのようにケアすればよいのでしょうか。

生活習慣を改善

肌を健康に保つには、肌のケアだけではなく体全体をケアすることが非常に重要です。食生活を見直すことや十分な睡眠時間の確保など、生活習慣の向上を心掛けましょう。

バランスの取れた食生活
健やかな肌を維持するのに役立つ栄養素(タンパク質、ミネラル、ビタミンC、A、B2、B6など)を、毎日の食事のなかでバランスよく取り入れましょう。栄養素に偏りが出ないことも大切なので、「同じものを食べ続けないこと」も意識してください。
食品添加物はビタミンやミネラルを多く消費してしまうため、添加物の多いインスタント食品などを食べ過ぎないように注意しましょう。

また、栄養バランスのよい食事は腸内環境も整えます。腸内環境を整えることは、肌環境を整えることにもつながります。

十分な睡眠を心掛ける
ターンオーバーが最も活発に行われるのは、睡眠中です。睡眠不足は肌の新陳代謝に大きな影響が出てしまいますので、できるだけ避けましょう。質の良い睡眠のために、夜間はカフェインを含むものの摂取を避け、7時間程度、しっかりと眠ることがおすすめです。

空気を乾燥させない工夫を
空気が乾燥していれば、当然肌も乾燥してしまいます。冬場は保湿に加えて室内の加湿を忘れないようにしてください。室内の湿度チェックも重要です。また、夏場は紫外線対策も兼ねて保湿効果の高い日焼け止めを使用するなど、屋外での対策にも気を配りましょう。

ストレスを溜めない
過度なストレスは体内の活性酸素を過剰に分泌させ、細胞を傷つけてしまう可能性があります。ストレスを溜めないよう、規則正しいリズムで生活を送る、気分転換をする、適度な運動をするなどを心掛けるようにしましょう。

お湯の温度に注意
お風呂のお湯や洗顔するときの温度に気を付けましょう。お風呂は38~40℃くらい、洗顔の際は32℃前後のぬるま湯がいいとされています。温度が高過ぎると、汚れだけでなく必要な皮脂までが落ちてしまいます。また、皮膚をごしごしと強くこすらず、優しく洗うようにしてください。

洗顔後や入浴後の肌はとても乾燥しているため、できるだけ早めの保湿を心掛けましょう。体も乾燥する方はジェルやボディミルクなどを活用して、全身をトータルでケアするようにしましょう。

乾燥肌を予防するには図解

正しいスキンケアで潤いを保つ

乾燥しにくい肌を目指すには、正しいスキンケアで潤いを補給すること、潤いを逃がさないようにすることが大切です。では、「正しいスキンケア」とはいったいどんなものなのでしょうか。乾燥肌の方に実践してほしい、毎日の洗顔方法や保湿方法をご紹介します。

◆洗顔
乾燥肌の方でも、洗顔は必要です。まずはメイク落とし(クレンジング)で丁寧にメイクを落とします。なお、洗浄力の高いオイルベースの化粧落とし は肌から皮脂を奪い過ぎてしまう可能性があるため、使いすぎに注意してください。

肌にファンデーションなどが残らないよう、肌をなでるようにしてメイク落としとメイクをなじませます。アイシャドーなどのポイントメイクは専用のメイク落としをオススメします。

次に、洗顔料をよく泡立ててから洗顔してください。強い力でこすらず、指の腹で丁寧にくるくると小さな輪を描くように汚れを落としましょう。洗浄成分が皮膚に残ると肌に刺激を与えるため、すすぎは丁寧に行ってください。タオルで水分を取るときも決してこすらず、ポンポンと優しく押さえるようにしましょう。

◆保湿
洗顔後はできるだけ早く保湿を行います。これは肌のバリア機能を維持することにつながります。化粧水やローション、美容液やクリームを手のひらに広げ、押し付けるようにして肌になじませてください。パタパタと叩くようにして塗ると肌に余分な刺激を与えてしまいますので、あくまでも優しいタッチで、丁寧に繰り返しましょう。

なお、顔のどこかが突っ張るように感じたら、保湿が不足している可能性があります。その際は化粧水を重ねづけしていくことが有効です。

メイクをする際には、保湿成分が配合された化粧下地を利用しましょう。また、化粧下地やファンデーションにきちんと日焼け止め効果(UVカット効果)があるかどうか、購入するときに確認することをおすすめします。
乾燥肌に効果的な成分として「記事:乾燥肌の皮膚保湿剤 ヘパリン類似物質とは?」も参考にしてください。

肌の乾燥を防ぎ、バリア機能を回復させるためには、毎日の保湿が非常に重要です。加えて、肌が体の一部であることを忘れず、生活習慣の見直しをし、ストレスを溜めないよう気を付けてみてください。日焼け止めや部屋の加湿などの季節に応じたスキンケア対策も大切ですが、体と心の健康こそ美容の味方です。日々の丁寧なお手入れの積み重ねが潤った肌をつくりますので、できることから実践してみましょう。