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肌の状態を改善したい!
スキンケアのコツと美肌へのアプローチ

河村優子先生プロフィール

【監修】 河村優子先生

渋谷セントラルクリニック院長。日本抗加齢医学会専門医、日本レーザー医学会認定医。アンチエイジングをコンセプトに、体の中と外から痩身や美容皮膚科をはじめとするさまざまな治療に取り組む医師。酒さ(しゅさ)、乾癬(かんせん)、にきび、アトピーなど、皮膚免疫疾患の分野においては、UCLA大学教授と提携したライフスタイルの改善と腸内環境に着目した皮膚治療プログラムを実践中。海外の再生医療を積極的に取り入れ、肌質改善などの治療を行ってきたことから、対症療法にとどまらない先端の統合医療の提供に尽力。

肌の調子がよくないと毎日鏡を見るのも憂鬱になり、メイクをするのも楽しくないと感じるのではないでしょうか。
肌の状態は正しいスキンケアと生活改善で変えることができます。スキンケアで重要なのは、「自分自身の肌に合ったケアをすること」です。自分の肌がどんな肌なのかという分析ができていないと、間違ったケアを続けてしまうことになりかねません。

まずは自分の肌を正しく分析し、ツヤのある肌を目指しましょう。

今回は、肌のタイプに合わせたスキンケアと、美肌を目指すにはどのように生活改善をしていけばいいのかを、詳しくお伝えします。

あなたの肌質はどのタイプ?簡単セルフチェック

肌のセルフチェックする女性イメージ

ご自身の肌質がどんなタイプなのか、簡単なセルフチェックで判断することができます。

肌質を知ろう!肌診断の方法

一般的に、肌タイプは普通肌・脂性肌・乾燥肌・混合肌の4つに分類されます。4つの肌タイプの他に、「敏感肌」という言い方もありますが、敏感肌とは肌の乾燥により、バリア機能が低下したケースのことを指します。

【普通肌】
皮脂量と水分量のバランスが取れている状態で、肌のバリア機能もしっかり働いています。洗顔後、急いで化粧水や乳液をつけなくとも、頬や口の周りがつっぱる感じやひきつるような感じもしません。「平均的に大きなトラブルはない」というレベルで安定している状態ですが、季節や体調によっては乾燥し、皮脂が増えることもあります。

◎以下に当てはまる方は普通肌の可能性が高いと考えられます。
・過ごしやすい気温の部屋にいれば、顔に触れてカサつく感じやベタつく感じがない
・洗顔したあと、化粧水や乳液を塗り忘れてしまっても深刻なカサつきは感じられない
・だいたい安定して化粧ノリがいい

【脂性肌】
全体的に皮脂量が多く、毛穴が詰まりやすい肌で、ニキビができやすい状態です。比較的若い方に多いです。皮脂量が減ってくる20代後半からの脂性肌については、「肌の水分不足を皮脂で補おうとしている」というケースもあるため、ケアには注意が必要となります。

◎以下に当てはまる方は脂性肌の可能性が高いと考えられます。
・おでこや鼻の頭が常にテカテカしてしまう。指先で触れると指にたくさんの皮脂がつく
・暑い季節の化粧崩れに悩んでいる。ファンデーションがすぐ取れてしまう
・小鼻の周りなどの毛穴が目立つ。毛穴の汚れでザラザラしていることも

【乾燥肌】
皮脂量と水分量が少なく、肌に潤いが不足している状態です。肌を乾燥や刺激から守る「肌バリア」が破壊されている状態であるため、さらに乾燥が進むと、肌荒れなどのトラブルが起きやすくなります。手で触れても、カサカサしています。ハリを失いやすい状態のため、注意が必要です。

◎以下に当てはまる方は乾燥肌の可能性が高いと考えられます。
・朝起きてすぐや、洗顔した直後でも「肌がつっぱっている」「かさかさしている」と感じることがある
・洗顔後はすぐに化粧水をつけないと、つっぱりやカサつく感じが強い
・髪の毛や布が触れるとすぐにかゆみが出たり、痛くなったり赤みが強くなったりすることがある
・化粧品でかぶれやすい

【混合肌】
Tゾーン(額や鼻の部分)は皮脂量が多いのに、頬や口元はカサついているという、「脂性肌と乾燥肌が混合している」状態です。

◎以下に当てはまる方は混合肌の可能性が高いと考えられます。
・さっぱりタイプの化粧品を使うと頬はつっぱるが、しっとりタイプではTゾーンのベタつきが気になって困ることがある

肌タイプ図解

◆簡易セルフテスト
自分の肌質がわからないという方は、洗顔後、何もつけずに5分待ち、皮膚の様子を観察してみましょう。そのうえで、以下のような特徴からご自身の肌を判断してみてください。なお乾燥が気になる方は、やや短い時間でも問題ありません。

[普通肌] 特に何も感じない、多少は気になるが、このまま過ごせないというほどではない
[脂性肌] 何も塗っていないのに鼻の頭や額がべたつく
[乾燥肌] 口の周りや頬がつっぱり、このまま過ごすのはつらい
[混合肌] 額と鼻は脂性肌のような特徴が出るが、口の周りや頬は乾燥肌のような特徴が見られる

肌質は年齢に応じて変化するため、「若い頃は違った」ということも少なくありません。。肌の状態の変化に応じてきちんとケアを変えましょう。

肌質別のセルフケア

それぞれの肌質に応じたケアをご紹介します。

【普通肌】
皮脂量と水分量のバランスが取れている状態です。今のケアを変える必要はありませんが、季節や環境に合わせ、乾燥対策や保湿ケアを加えるとよいでしょう。

【脂性肌】
皮脂量が多く、ニキビもできやすい肌質です。洗顔で余計な皮脂を落とし、皮脂を抑えるためのスキンケアをしましょう。皮脂が気になるからといって脂取り紙などで皮脂を取り過ぎてしまうと、肌はさらに皮脂を出すようになってしまいます。ティッシュで押さえるなど、皮脂を適度に抑えることが大切です。また脂性肌だから保湿しなくていい、というわけではありません。油分の少ない基礎化粧品を選んで保湿をすることで、肌の状態が安定するケースも少なくありません。また皮脂を吸収する仕上げパウダーなどの利用もおすすめです。

【乾燥肌】
皮脂量と水分量がともに少なく乾燥しているので、潤いを保つためのスキンケアを心掛けましょう。なお、乾燥肌については「記事:季節を問わず悩まされる乾燥肌。スキンケアを見直して健康な肌に」でもご案内しています。

【混合肌】
Tゾーンは皮脂量が多く、部分的にカサついている状態です。皮脂が多い部分はティッシュなどで抑え、カサつくポイントには丁寧な保湿を心掛けてください。

効果的な肌の保湿ケアについては「記事:乾燥肌の皮膚保湿剤 ヘパリン類似物質とは?」でもご案内しています。

肌タイプ別ケア 注意点図解

かゆみや乾燥・吹き出物など肌荒れが起きる原因とは?

肌荒れとは、かゆみや乾燥、吹き出物・ニキビなどができている状態を指します。ここでは、肌荒れが起きるメカニズムを知り、原因ごとの適切なケアを学びましょう。

◆なぜ肌荒れしてしまうの?
肌荒れの原因は次のようなものが考えられます。
・体調不良、ストレスなどで肌に十分な栄養素が行き届かない(ストレスは多くのビタミンを消費する)
・ターンオーバーやホルモンバランスの乱れで、角質層のバリア機能が低下
・肌に合わない化粧品の利用による炎症(かゆみやブツブツが出るなど)、肌の保護や保湿が不足
・紫外線によるダメージ

◆肌荒れの症状にはどんなものがある?
・肌のカサつき…角質層に水分が足りない状況
◎適切な対処は?…保湿成分をしっかり肌に与えることで改善される

・肌のくすみ…ターンオーバーが乱れるため、古い角質が剥がれ落ちないことによるもの
◎適切な対処は?…丁寧な洗顔やピーリング効果のあるスキンケアで古い角質を取り除き、保湿する

・ニキビ…毛穴に皮脂が詰まって炎症を起こしている状態
◎適切な対処は?…油分が多過ぎないローションなどでのスキンケア。ただし、生活環境を整えることが非常に重要

・毛穴汚れ…皮脂が過剰に分泌されて、毛穴が詰まってしまう状態
◎適切な対処は?…丁寧な洗顔を行い、汚れた皮脂を洗い流す。また、毛穴を傷めないようパックなどのアイテムで保湿する必要もある

肌悩み 適切な対処を図解

トラブルから肌を守るには?

肌トラブルを避けるためには、どのようにしたらいいのでしょうか?肌を守り、美肌を維持するためのスキンケアについてご説明します。

きれいな肌を保つためにスキンケアの基本を見直し

洗顔方法について、「とにかく洗う」というのは逆効果だといわれています。洗顔を繰り返すことで肌に必要な常在菌までなくなるぐらい洗い過ぎることがあります。

◆洗顔方法
・回数…通常の場合は朝と夜、洗顔料を使って洗う。ただし、乾燥肌の方は様子を見て夜のみ洗顔料を使い、朝は額と鼻だけ洗顔料を使うなど、「肌の状態に合わせて洗い方を変える」こと
・洗顔料を使う前にぬるま湯で顔を洗う。いきなり洗顔料を肌につけると肌にとって大きな刺激となる
・お湯の温度はぬるま湯がベスト。32℃(人体の表面の温度)程度を目安に
・クレンジングは毎晩しっかり行う。クレンジング方法については、商品説明をしっかり読む
・洗顔料の泡はしっかり泡立てる。洗顔料がそのまま肌につかないようにする

毎日のケアの積み重ねで肌は大きく変わります。「お風呂のお湯をそのまま使っていた」という方はぜひ試してみてください。これだけで大きな変化が現れるかもしれません。

洗顔料を使用するイメージ

理想の睡眠は7時間!?良質な睡眠を確保しよう

生活習慣を見直すことも、肌の調子を整えるにはとても重要です。日本人の平均睡眠時間は成人で6~8時間といわれていますが、これはあくまでも「平均的な」というものです。人によって必要な睡眠時間は個人差があるため、朝起きたときに「すっきりした」と感じられる睡眠が、ご自身にとってのベストだといえます。平均時間より少なくても問題ない方、または平均睡眠時間ではまるで足りないという方もいます。眠気や体調を考えて、どれほど眠ればいいのか考えてみてください。「疲れたときにはいつもより早く休む」という調整が、非常に重要であることも多いのです。

なお、肌のターンオーバーを促す「成長ホルモン」は、「寝入りから2時間」の間に最も分泌されるといわれています。途切れ途切れの睡眠では十分に分泌されないため、夜間にまとめてしっかり眠るようにしましょう。

・寝る前にストレッチなどを行ってコリを取ってから休む
・寝る直前の食事や寝酒をやめる
・興奮するものを見ない(スマホを使い過ぎない)
・体を冷やし過ぎない

以上のことが重要です。

寝ている女性イメージ

UVケア・日傘などで紫外線対策をしっかりと

紫外線は日焼けだけでなく、肌細胞のDNAにも損傷を及ぼします。シミやくすみの原因になるほか、肌の老化も早めてしまうため、普段からしっかりと対策を講じましょう。顔だけでなく、ボディケアも忘れずに行ってください。

・UVケア商品、紫外線防御機能を高めた日傘やサングラスによる紫外線対策を行う
・紫外線対策は、夏だけではなく一年中行うようにする
・日焼け止めクリームやローションなどを利用する。
定期的に塗り直す習慣をつける。配合されている成分によってはかえって肌荒れを引き起こす危険性が高くなってしまうため、成分表も確認する
・紫外線を多く浴びてしまった場合は十分な保湿をし、ビタミンCの摂取量を増やす(食べ物だけでなく、サプリの利用もおすすめ)
・万が一、日焼けしてしまった場合は、濡れタオルで冷やすなどのお手入れを

日焼け止めを塗る女性イメージ

美肌を目指すには、正しいスキンケアに加え、身体そのもののケアも非常に重要であることがご理解いただけたでしょうか。スキンケアとあわせて、ライフスタイルの見直しも行ってみてください。美容と健康は、切っても切れない関係にあります。

毎日のひと手間が、大きな変化につながります。きれいな肌を目指して、できることから始めてみましょう。