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美白効果を高めるための食べ物・スキンケア

河村優子先生プロフィール

【監修】 河村優子先生

渋谷セントラルクリニック院長。日本抗加齢医学会専門医、日本レーザー医学会認定医。アンチエイジングをコンセプトに、体の中と外から痩身や美容皮膚科をはじめとするさまざまな治療に取り組む医師。酒さ(しゅさ)、乾癬(かんせん)、にきび、アトピーなど、皮膚免疫疾患の分野においては、UCLA大学教授と提携したライフスタイルの改善と腸内環境に着目した皮膚治療プログラムを実践中。海外の再生医療を積極的に取り入れ、肌質改善などの治療を行ってきたことから、対症療法にとどまらない先端の統合医療の提供に尽力。

「美白」や「美白ケア」という言葉をよく見かけますが、実は「美白」とは近代になってからつくられた言葉であることをご存知でしょうか。美白という言葉は一般的には「日焼けによるメラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐこと」を指します。

少し前までの「美白ケア」と言えば、美白成分が含まれた基礎化粧品を使うスキンケアが主流でした。昨今、「身体の外側」だけでなく、「身体の内側」からもケアすることが推奨されています。身体の外側のケアがスキンケアであれば、身体の内側からのケアは食事やサプリメントの摂取、あるいは「生活リズムを改善すること」なども含まれると言えます。

今回は、身体の内側と外側の両面における美白ケアについて詳しく見ていきましょう。

美白とは

女性の肌イメージ

美白とは「肌のくすみ、日焼けを防ぐ」という意味もありますが、肌の一部に現れる「シミ」のケアについても、多くの方々が関心を持っているのではないでしょうか。シミのケアが成功していれば、肌全体を正しくケアできていることになります。

具体的には、以下のことを目的としたケアを美白ケアと言います。

・メラニン色素が肌のなかで生成されるのを抑えること
・生成されたメラニン色素が肌に残らないよう、新陳代謝を促すこと

これらを可能にするのは基礎化粧品だけでなく、冒頭でもお伝えした「食事やサプリメントの摂取で美白によい栄養素を補給すること」「生活リズムを改善して睡眠時間をたっぷり取り、肌によいホルモンの分泌を図ること」などです。

シミ・そばかすができるメカニズム

シミができるのは、「メラニン色素」という色素が肌のなかに残ってしまうためです。このメラニン色素とは、紫外線を浴びると肌の中で分泌される色素であり、日焼けすると肌が褐色に色づく原因にもなっています。

しかし本来、日焼けした肌は時間が経過すれば元に戻ります。これはメラニン色素が肌の外に排出されるためです。では、シミのように「メラニンが残ってしまう」というケースが発生するのはなぜでしょうか。この原因に大きく関わっている、メラニン色素という物質について詳しく見ていきましょう。

◆メラニン色素が分泌される理由

メラニン色素が分泌されるのには、「紫外線から肌を守るため」です。よって紫外線量が多ければ多いほど、メラニン色素もたくさん分泌されます。またメラニン色素は炎症などの肌への刺激によっても分泌されることがわかっています。ニキビ跡や傷跡に色が残ってしまうのは、このためです。

メラニン色素の分泌のメカニズム

◆メラニン色素を肌から排出できない理由

日焼けやケガをしても、肌にメラニン色素が残らない場合もあります。これは肌内部で分泌されたメラニン色素が新陳代謝によって、肌の外部へとスムーズに排出されるからです。では、排出されない場合もあるのはなぜでしょうか。それには次のような理由があります。

①紫外線量が多かった、あるいは炎症による刺激が強かったことにより、メラニン色素が過剰に分泌され、排出しきれなくなってしまった

②新陳代謝(これを「肌のターンオーバー」と言います)が滞り、古い肌細胞とともに肌に残ってしまった

これら2つの要素が重なった結果、メラニンはシミとして定着してしまいます。さらに詳しいメカニズムについては、「顔のシミ」をご確認ください。

美白効果が期待できる食べ物

美白ケアのための「内側」からのアプローチは食べ物や生活の改善です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

◆美白によい食べ物を食べる

「美白によい食べ物」とは、メラニン色素の分泌を抑えたり、ターンオーバーを促したりする栄養素が含まれた食べ物のことです。「さまざまなものをバランスよく食べる」といったことが前提となりますが、その上でさらに美白ケアをしたいと考える方は、次のようなものを意識して食べてみましょう。

美白によい食べ物イメージ

①ビタミンCを多く含む食べ物
ビタミンCはメラニン色素の生成を妨げる作用や、肌にとって大切な構成成分であるコラーゲンを生成する働きがあります。
…アセロラ/ケール/パセリ/煎茶/グァバ/赤ピーマン・黄ピーマン/海苔/ゆず/キウイフルーツ/ブロッコリー
※文部科学省食品成分データベース ビタミンCを多く含む食品上位にある食べ物(順不同)

②ビタミンE(α-トコフェロールβ-トコフェロールγ-トコフェロールδ-トコフェロール)を多く含む食べ物
ビタミンEは身体全体の血行を促し、正常なターンオーバーを取り戻す助けとなります。
…煎茶/ひまわり油・大豆油・米ぬか油・大豆油・えごま油/アーモンド/小麦胚芽/きなこ/大豆

※文部科学省食品成分データベース ビタミンEを多く含む食品上位にある食べ物 順不同)

③ビタミンB2、ビタミンB6を多く含む食べ物
ビタミンB2は脂質の代謝を促し、皮膚の健康を保ちます。
…卵/チーズ/肉類など

ビタミンB6は細胞の代謝を助け、肌荒れを防ぐ効果があります。
…にんにく/ピスタチオ/こんにゃく/マグロ/しょうが/じゃがいも
※文部科学省食品成分データベース ビタミンB2、ビタミンB6を多く含む食品上位にある食べ物 (順不同)

④注目すべき成分、トマトに含まれる「リコピン」
リコピンはトマトに含まれる成分であり、次のような効果があることが報告されています。
・メラニンの分泌を抑制する効果
・紫外線によるコラーゲン現象を抑制する効果
・日焼け防止効果
・角質層の改善をする効果

特に、美白におすすめしたいものをピックアップしましたが、あくまでも「これだけ食べればよい」ということではないため、ご注意ください。偏った食事にならないことが、なによりも重要です。

◆肌によい生活をする

肌のターンオーバーの周期は加齢により乱れていくものですが、年齢を問わず、栄養不足や睡眠不足、ストレスなどでも代謝が落ちてターンオーバーの周期が長くなります。スムーズに古い肌細胞やメラニン色素を排出させるためには、生活習慣を整えてストレスの軽減につとめましょう。肌によい生活を送ることが、美白ケアでもあるのです。

<肌に良い生活をおくるためのポイント>
・栄養バランスを考えた食事を摂る、同じものばかり食べないように気を付ける
・サプリメントなどで栄養不足を補うようにする
・睡眠不足にならないようにする、質のよい睡眠を取る(夜間にまとめて眠る)
・適度な運動や休息を取り、ストレスの解消を心がける

美白スキンケアの効果的な使い方

美白ケアにおける「外側」からのアプローチは、スキンケア対策です。美白スキンケアは以下のように効果的に使っていきましょう。

・紫外線を浴びないよう、日焼け止め(UVカット化粧品)を塗る
・日傘や帽子などで一年中紫外線対策を行う
・美白有効成分などが配合された基礎化粧品(化粧水、乳液、クリーム、美容液などの医薬部外品)を継続して利用する
・ターンオーバーを妨げないため、また、健やかな肌を保つために保湿ケアも同時に行う
・寝る前にきちんとコスメを落として寝る、正しい化粧落とし(クレンジング剤)の使い方を身に着ける
・自分の肌に合った基礎化粧品や化粧品を利用し、刺激を感じるものは使わない

詳しくは「肌のシミ」にて記載しておりますが、美白スキンケアを目指すうえで肌のバリア機能を高めることが重要です。スキンケアの際には保湿を意識し、健康な肌を目指していくことも忘れないようにして下さい。

基礎化粧品を使用する女性イメージ

美白はすぐに実現するものではありません。根気強いケアを複合的に続けることが大変重要です。外側からのアプローチも重要ですが、内側からのアプローチをぜひ忘れないようにしましょう。
また、どんなにスキンケアを丁寧に行っても、寝不足が続けば十分な美白ケアとは言えません。健康面にも気を付けて身体のなかから変わることが、美白への近道なのです。