改めて、「色素沈着」とはなにかをご説明します。体質や肌質も関係しますが、主な原因として挙げられるのは「紫外線を多く浴びること」、「肌が炎症などの強い刺激を受けること」の2つです。
色素沈着の主な原因はメラニンの過剰分泌
色素沈着について知るために黒ずみやシミなど「色」の原因となるものについて知りましょう。シミの原因となる色は、肌の中で分泌される「メラニン色素」という成分です。日焼けをすると肌の色が濃くなりますが、これは肌全体にメラニン色素が分泌されたことによるものです。
紫外線は肌細胞を老化・劣化させてしまうため、色素を出すことにより紫外線を吸収し、肌細胞を守ろうとします。メラニン色素は「紫外線から肌を守る」という目的のため分泌されているのです。つまり、メラニン色素自体は決して悪いものではありません。メラニンが分泌されなければ肌細胞に大きなダメージを与えてしまうこともあります。
紫外線によるダメージやターンオーバーの乱れが黒色メラニンを蓄積させる
メラニン色素自体は、人間にとって必要なものです。問題は、肌の中にメラニン色素が排出されず残ってしまうことなのです。メラニンは紫外線がなくとも、強い刺激によって分泌されることがあります。ニキビのような炎症も肌にとっては刺激であり、メラニン色素が分泌される原因となります。
排出量よりも多くのメラニン色素が生成された場合、もしくはメラニン色素が肌からきちんと排出されないと色素沈着が起きます。メラニン色素が排出されない原因として挙げられるのは、主に以下の2つです。
■メラニン色素の分泌量が多すぎる
メラニンは紫外線を浴びたことが刺激になって分泌されるものであり、皮膚癌などの肌の病気を防ぐ上で必要不可欠なものです。メラニン色素が分泌されても、それほど多い量でなければ肌のターンオーバーによってきちんと排出されます。要は「メラニン色素が排出できないほど過剰に分泌される」ということが問題なのです。ただし、量が少なくともターンオーバーが正常に行われていない場合は、この限りではありません。
■ターンオーバーの周期が乱れ、メラニン色素が排出しにくくなる
紫外線を浴びると、肌のなかにあるメラニン色素の工場のような細胞、「メラノサイト」が刺激され、メラニン色素が分泌されます。メラニン色素はターンオーバーによって古い肌細胞と共に排出されるはずなのですが、ターンオーバーの周期が乱れると、うまく古い細胞が排出できず、肌のなかに留まってしまうのです。
他にも、メラノサイトが活発になる原因として、ホルモンバランスの乱れ、薬による副作用、物理的な肌への刺激(炎症などの怪我や傷のほか、衣類やタオルこすれなども含む)があります。