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「敏感肌のためのスキンケア」

佐藤薫先生プロフィール

佐藤 薫先生

かおるクリニック院長。日本形成外科学会認定専門医。
昭和大学医学部卒業の後、昭和大学藤が丘病院形成外科・麻酔科、昭和大学形成外科、埼玉県立小児医療センター、虎の門病院形成外科などを経て、自身のクリニックを開業。経験に基づく知識や技術をもとに最新医療を取り入れ、美容皮膚科・形成外科医としてひとりひとりの肌の悩みに応じた治療法を提案。スキンケアの指導にも力を入れている。

乾燥肌でお悩みの方の中には肌が敏感であると感じている方も少なくないと思います。季節の変わり目や生理前など、お肌が敏感な時期のトラブルは気になるものです。

敏感肌と正しく付き合うにはどのようにすればよいのでしょうか。今回は敏感肌の状態と健康な人でも肌が敏感になる原因、敏感肌のスキンケアについて解説していきます。

敏感肌とは?どんな状態をいうの?

首元をケアする女性イメージ

実は敏感肌がどのような肌状態を指すのか、医学的には明確に定義されていませんが、一般的には以下のような状態になったら、敏感肌のサインと言われています。

●お肌が乾燥しやすくヒリつきやかゆみがある
●赤みやかぶれが出やすい
●吹き出物ができやすい
●季節の変わり目にお肌が荒れやすい

このような状態になったら、肌に刺激を与えることを控え、いつも以上に細心にお肌のケアを行いましょう。

──健康な肌の構造と敏感肌について

敏感肌について理解を深めるためには、まず肌の構造を理解する必要があります。人の肌は層状構造になっていて、非常に複雑かつ繊細な作りをしています。内側から皮下組織と真皮、表皮の三層構造になっています。

皮下組織
皮膚の最深部にあり、外部の衝撃から守る働きをしています。

真皮
皮下組織と表皮の間にあり、肌組織の大半を占める組織。真皮の多くは、お肌の潤い成分であるコラーゲンによって形成され、その他ヒアルロン酸、エラスチンなどが存在しています。

表皮
顔の表面にある組織。表皮は、さらに基底層(きていそう)、有棘層(ゆうきょくそう)、顆粒層(かりゅうそう)、角質層(かくしつそう)の4つに分かれています。

健康な状態の肌であれば、角質層に水分が蓄積し、みずみずしい状態を保てます。そのため、異物の侵入を跳ね返すバリア機能(肌を覆う皮脂膜など、保湿機能)がしっかり機能します。

角質層の水分を保持するには「天然保湿因子(NMF)」「細胞間脂質」「皮脂膜」の3つの成分が大切と言われています。天然保湿因子(NMF)は、別名、自然保湿因子とも呼ばれ、約半分がアミノ酸で構成され、角質細胞内に存在しています。アミノ酸は天然保湿成分と言われるほど重要な成分です。この天然保湿因子(NMF)が減少すると、角質保湿機能が低下し、乾燥肌・敏感肌を引き起こしやすくなります。

細胞間脂質は、細胞同士をくっつける接着剤のような役割を持つ脂質のこと。主にセラミドやコレステロール、遊離脂肪酸で構成されています。また、細胞間脂質は、水分と脂質が層状に並んでいるラメラ構造によって成り立っており、外部刺激からお肌を守ったり、水分乾燥を防ぐバリア機能を担っています。

皮脂膜は、肌の表面の膜となって、角質層にある水分の蒸発を防ぎ、肌の潤いを保持しています。

では、敏感肌はなぜ起こるのかと言うと、上でも説明した「天然保湿因子(NMF)」「細胞間脂質」「皮脂膜」が、季節の変化やストレス、加齢、体調変化といった要因によって活動が低下し、バリア機能が弱まることで、潤いが保持できなくなるためです。

正常なお肌とバリア機能が低下したお肌の比較図

──敏感肌になる原因

角質層の水分が減りバリア機能がうまく働かなくなると肌が刺激を受けやすい、いわゆる敏感肌の状態になります。ではなぜ、水分量が減ってしまうのでしょうか。

お肌の乾燥
単純にお肌の水分量が足りていない場合は、バリア機能が低下します。スキンケアで水分を十分に補えていない、湿度の低い部屋に長時間いることなどが主な原因です。

間違ったスキンケア
洗顔のしすぎや肌の状態に合っていないスキンケアも、敏感肌を引き起こす原因の一つです。汚れをしっかり落とそうと、お肌を強く擦ったり、洗浄力の強い洗顔料を使ったりすると、すぐにお肌は乾燥してしまいます。またスキンケアの際は、水分だけでなく油分も補わないとせっかく与えた水分がすぐに蒸発してしまいます。

ストレス
ストレスもお肌と深い関係があります。ストレスを感じる生活を長く続けていると、自律神経のバランスが崩れて交感神経が優位になり、ターンオーバーがうまく進まなくなります。

紫外線
肌を老化させる原因の80%は紫外線と言われるほど、紫外線は肌に大きな負担をかけます。紫外線は肌の表面だけでなく皮下組織にも届き、必要以上にコラーゲンの分解を促進し肌を乾燥させます。

睡眠不足
睡眠がとれていないと、お肌のターンオーバーに必要な成長ホルモンが十分に分泌されなくなります。成長ホルモンは入眠から3~4時間で分泌量がピークに達すると言われています。つまり3時間未満の睡眠や、入眠3時間以内の中途覚醒が繰り返されると成長ホルモン量が不十分になり、ターンオーバーが乱れてしまう可能性があります。

栄養バランスの偏り
私たちの肌は食べたものから作られているといっても過言ではあるません。栄養バランスの偏りが肌に影響を及ぼします。脂質や糖質の多い食べ物やカフェイン、香辛料の多い食べ物を過剰に摂取すると、必要以上の皮脂の分泌を促し、肌荒れの原因になります。

季節の変わり目
寒暖差が激しい季節の変わり目は、自律神経のバランスが乱れがちになり、ターンオーバーが不安定になる時期です。自律神経は体温調整にも働いているので、気温が大きく変動するとバランスを崩しやすくなります。

ホルモンバランスの変化
女性の場合は生理前や妊娠中にも肌が敏感になります。というのも生理前や妊娠中は大きくホルモンバランスが変化するからです。それによってバリア機能が低下し、肌トラブルも起こりやすくなります。

健康な肌の人でも「敏感肌」になる可能性が!?

健康な方が急に敏感肌に変わってしまうことは、実はそこまで珍しいことではありません。肌は常に移り変わっていくものなので、健康な状態な時もあれば、敏感になる時もあります。肌の状態を意識的に注視し、ケアをすることが肝心です。

肌の状態を確認する女性イメージ

──生理前の肌荒れ

普段はなんともないのに突然、肌が敏感になったり荒れたりするのは、肌が揺らいだり不安定になったりすることが原因です。このような状態を「ゆらぎ肌」と言います。慢性的なバリア機能の低下が起こっている状態が敏感肌であるのに対し、「ゆらぎ肌」は、季節の変わり目や生理といった変化により、一時的にバリア機能が低下した状態を指しています。

特に、お肌の揺らぎを実感しやすいのが生理前でしょう。女性の肌が揺らぐ原因には、先ほども少しご紹介したようにホルモンバランスが関係しています。普段、私たちの体はプロゲステロン(黄体ホルモン)よりもエストロゲン(卵胞ホルモン)の方が多く分泌されています。
しかし、排卵期を境に、生理が始まるまではこのバランスが逆転しプロゲステロンの分泌量が多くなります。プロゲステロンは男性ホルモンと似た働きをし、プロゲステロンの量が多くなると皮脂分泌がいつもよりも増加します。すると皮脂と水分のバランスが変わるので、普段と同じスキンケアのはずなのに肌に合わなくなったり、バリア機能が乱れて肌が敏感になったりします。

季節の変わり目も同様で、お肌が揺らぎやすい時期として知られています。寒暖差に体がついていけず自律神経が乱れたり、紫外線量が急激に増えてお肌へのダメージが増えたりすることが揺らぎの原因になります。このように、実は誰でも敏感肌になる可能性があります。

──肌トラブルが起きてしまったときのケア

どんなにお肌の手入れ・ケアをしていても、環境の変化などでお肌が揺らいで敏感になる可能性は誰にも訪れます。しかし、敏感になったままお肌を放置していたり、いつものケアをそのまま続けていたりすると、さらにお肌の状態を悪化させてしまいます。お肌の揺らぎを感じたら、今の肌状態に合うケアに変えないといけません。

敏感肌用のスキンケアに切り替える
生理前や環境の変化などでお肌の揺らぎを感じたら、すぐに敏感肌用のスキンケアに変えましょう。敏感肌になると普段は何も感じない香料や着色料、界面活性剤にお肌が反応してしまうことがあります。敏感肌用の化粧水やクリームなど、今は多くのラインナップがあるので敏感肌でも使える化粧品を前もって見つけておくと安心です。「これならいつ使っても大丈夫」と言える化粧品を「おまもりコスメ」として持っておくことをおすすめします。

間違ったスキンケア
洗顔のしすぎや肌の状態に合っていないスキンケアも、敏感肌を引き起こす原因の一つです。汚れをしっかり落とそうと、お肌を強く擦ったり、洗浄力の強い洗顔料を使ったりすると、すぐにお肌は乾燥してしまいます。またスキンケアの際は、水分だけでなく油分も補わないとせっかく与えた水分がすぐに蒸発してしまいます。

お肌の刺激になりそうな化粧品は避ける
スクラブ入りの洗顔料やアルコール入りの化粧水、お肌をこするピーリングは刺激になることがあります。肌が敏感な時期の使用を控えましょう。お肌がダメージを受けてニキビや肌荒れが悪化する要因になります。

生活習慣を見直す
忙しいと、なかなか栄養バランスが整った食事を摂るのが難しくなります。満足に睡眠を確保できないこともあるでしょう。そのようなときは、少しでも体の負担を軽くするためにサプリメントで栄養を補います。特に、ビタミンB2やビタミンB6はお肌を健康に保つ大事なビタミンなので、ぜひ積極的に摂りたい栄養素です。また成長ホルモンがお肌のターンオーバーに関係するため、夜ふかしをせず、平日休日にかかわらずなるべく朝の8時くらいまでには、起きるようにしましょう。睡眠不足が肌荒れを招いて、肌荒れがストレスになって寝付きが悪くなったり症状が悪化したりと悪循環に陥りやすくなります。食事や睡眠の見直しは肌だけでなく健康促進にもつながります。

敏感肌には保湿が重要

敏感肌のスキンケアで最も大切なのが保湿です。敏感肌は、角質層に十分な水分が不足し、バリア機能が低下することによって引き起こされます。

保湿ケアする女性イメージ

──敏感肌は乾燥・肌荒れの状態

角質層の水分が減ってバリア機能が低下すると、お肌は少しの刺激でもダメージを受けてしまいます。実は、肌が乾燥している時だけでなく、ニキビやベタつきが出ている時も、水分不足に陥っている可能性があります。

なぜなら、お肌が乾燥すると皮脂を通常よりも多く分泌し肌を保護するはたらきがあるからです。できるだけ低刺激性の、自分の肌に合った化粧水で保湿するようにしましょう。お肌が冷たくひんやりしてきたら、お肌がきちんと潤っている証拠です。この後にクリームやジェルで潤いを閉じ込めます。もちろん肌が荒れ始めているときは、刺激になりやすいスクラブ洗顔やピーリング、強いマッサージなどは避けましょう。

──保湿ケア選びのポイント

保湿が大事と言われても、具体的にどういった化粧水を使えば良いのか迷ってしまいますね。おすすめは、ヘパリン類似物質やヒアルロン酸、セラミド、アミノ酸が入っている化粧品です。

乾燥肌に効果的な成分として「記事:乾燥肌の皮膚保湿剤 ヘパリン類似物質とは?」も参考にしてください。