コラーゲンの使い方を知る前に、私たちの肌の構造と肌の健康を保つ栄養素について考えていきましょう。美肌に必要な栄養素はコラーゲンを含めて4つあると考えられています。
──ヒトの肌構造とは
人の皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3つで成り立っています。真皮はコラーゲンがその大部分を占めており、肌のハリや構造を保つのに重要な役割を果たしています。コラーゲンの間に存在するヒアルロン酸、エラスチンも肌を健やかに保つ重要な存在、これらが衰えると、肌のハリや弾力が失われ、たるんだ肌になってしまいます。
ヒアルロン酸は水分をつなぎ留める役割があり、コラーゲンやエラスチンと一緒に摂取すると、より高い効果を発揮すると言われています。乾燥に強く、湿度が下がっても肌から蒸発する水分を最小限にとどめることができるため、乾燥が気になる季節では必須の成分であるといえるでしょう。
エラスチンは肌の弾力性を保つ役割があり、コラーゲンと同じく真皮に含まれる成分です。肌に含まれるエラスチンの量は20代後半がピークといわれ、年齢を重ねるごとにゆるやかに減少します。
肌の老化を抑えて美肌を保つには、コラーゲンとエラスチンをあわせて摂取することがとても大切です。
──肌を健康に保つ主な栄養素
お肌の健康を保つために必要な栄養素はコラーゲンだけではありません。
肌のハリ、水分を保つ下記4つの成分をバランスよく補充することが大事です。
コラーゲン(肌のハリ・弾力を保つ)
ビタミンC(抗酸化作用がある)
セラミド・ヒアルロン酸(肌内部の水分を保つ)
プラセンタ(肌の再生・回復を助ける)
これらの成分は加齢や生活習慣、紫外線で失われやすいため、適切に補充することが必要です。
ビタミンCはコラーゲンの生成と合成に必須の化合物です。ビタミンCが不足すると、体内でアミノ酸からコラーゲンが合成されなくなり、壊れやすくなった血管から出血を起こす壊血病の原因にもなります。また、ビタミンCには風邪やストレスなどの病気に対する抵抗力を強める働きや、皮膚のメラニン色素の生成を抑え、日焼けを防ぐ役割があります。
セラミドは角層細胞間脂質の50%以上の組成をしめる成分であり、皮膚から水分の蒸発を防ぎ守ってくれる役割と、紫外線などの外的な刺激から肌を守ってくれる役割があります。セラミドは年齢と共に減っていってしまう物質となるため、外部から補給してあげる事が必要です。セラミドの補給は主に2つ。食品やサプリメントで補う方法と、直接肌に塗る方法があります。
プラセンタには美肌の素となる5大栄養素(たんぱく質・脂質・糖質・ビタミン・ミネラル)が豊富に含まれています。最近の研究ではエイジングケアやシミ対策としても注目され、季節の変わり目や体調の変化により揺らぎやすい肌の肌質改善にも積極的に使われるようになりました。
ではコラーゲンをはじめとした栄養素を効果的に摂取する方法は何でしょうか?まず、栄養素には大きく分けて2つの摂取方法があります。
食品やサプリなどで経口摂取する
化粧品などで肌に塗る
コラーゲンに関しては、ドリンクやサプリメントなどで経口摂取するのが効率的です。以前まで、経口摂取されたコラーゲンは全てがアミノ酸へと分解されてしまうため、美容面でのコラーゲンとしての効果は期待できないのではないかという考えが存在していました。ただ、最近の研究によってコラーゲンの分解により生まれたコラーゲンペプチドが皮膚の細胞に様々な良い効果を示すことが分かってきました。
コラーゲンペプチドとは、コラーゲンが過熱されて分解されたゼラチンからさらに細かく酵素分解されたものです。経口摂取したコラーゲンは、消化段階でアミノ酸に分解されますが、一部はコラーゲンペプチドとして体内のコラーゲンやヒアルロン酸の生成に役立ちます。よって、食品を選ぶ際は小腸で効率よく吸収されるよう、予めコラーゲン分子がペプチド化されたものを摂るのがおすすめです。
さらには、その食品に、ビタミンCなどのコラーゲンの合成や生成をサポートする成分が配合されているかどうかもポイントです。余力があれば、合成原料よりも天然由来のビタミンCを選択したいところ。もちろんビタミンC以外の栄養素も含まれたものであれば、相乗効果も見込めるのでさらに効率的です。