TAISHO BEAUTY ONLINE 1st Renewal Campaign

「美肌を保つ栄養素!
コラーゲンの効果とは?」

2020/05/07

佐藤薫先生プロフィール

佐藤 薫先生

かおるクリニック院長。日本形成外科学会認定専門医。
昭和大学医学部卒業の後、昭和大学藤が丘病院形成外科・麻酔科、昭和大学形成外科、埼玉県立小児医療センター、虎の門病院形成外科などを経て、自身のクリニックを開業。経験に基づく知識や技術をもとに最新医療を取り入れ、美容皮膚科・形成外科医としてひとりひとりの肌の悩みに応じた治療法を提案。スキンケアの指導にも力を入れている。

私たちが美と健康の為に摂取しているコラーゲン。肌にも身体にも良いとされている栄養素です。コラーゲンたっぷりの料理やサプリメントを摂った次の日、ぷるぷる感たっぷりの肌の質感とハリを実感している人は多いのではないでしょうか。もちろん、老化による皮膚のたるみ防止にも大活躍な栄養素です。

でも、このコラーゲン。間違った摂取の仕方をしていませんか?より多く摂取すれば効果があると思いがちですが、過剰に摂取することで身体の負担になるなどの逆効果があります。コラーゲンの特徴を押さえて、正しく取り入れることができれば、より大きな効果が発揮されます。その為には、肌の健康を保つ他の栄養素「ビタミンC」「セラミド・ヒアルロン酸」「プラセンタ」を知ることが大切です。

今回は美肌を保つための栄養素コラーゲンの効果的な使い方をご案内いたします。最新の研究で明らかになった正しい知識でコラーゲンの効き目をもっとアップさせましょう。

肌の構造と肌に必要な栄養素

コラーゲンの使い方を知る前に、私たちの肌の構造と肌の健康を保つ栄養素について考えていきましょう。美肌に必要な栄養素はコラーゲンを含めて4つあると考えられています。

──ヒトの肌構造とは

人の皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3つで成り立っています。真皮はコラーゲンがその大部分を占めており、肌のハリや構造を保つのに重要な役割を果たしています。コラーゲンの間に存在するヒアルロン酸、エラスチンも肌を健やかに保つ重要な存在、これらが衰えると、肌のハリや弾力が失われ、たるんだ肌になってしまいます。

ヒアルロン酸は水分をつなぎ留める役割があり、コラーゲンやエラスチンと一緒に摂取すると、より高い効果を発揮すると言われています。乾燥に強く、湿度が下がっても肌から蒸発する水分を最小限にとどめることができるため、乾燥が気になる季節では必須の成分であるといえるでしょう。

エラスチンは肌の弾力性を保つ役割があり、コラーゲンと同じく真皮に含まれる成分です。肌に含まれるエラスチンの量は20代後半がピークといわれ、年齢を重ねるごとにゆるやかに減少します。
肌の老化を抑えて美肌を保つには、コラーゲンとエラスチンをあわせて摂取することがとても大切です。

ヒトの肌構造の説明図

──肌を健康に保つ主な栄養素

お肌の健康を保つために必要な栄養素はコラーゲンだけではありません。
肌のハリ、水分を保つ下記4つの成分をバランスよく補充することが大事です。

コラーゲン(肌のハリ・弾力を保つ)
ビタミンC(抗酸化作用がある)
セラミド・ヒアルロン酸(肌内部の水分を保つ)
プラセンタ(肌の再生・回復を助ける)

これらの成分は加齢や生活習慣、紫外線で失われやすいため、適切に補充することが必要です。

ビタミンCはコラーゲンの生成と合成に必須の化合物です。ビタミンCが不足すると、体内でアミノ酸からコラーゲンが合成されなくなり、壊れやすくなった血管から出血を起こす壊血病の原因にもなります。また、ビタミンCには風邪やストレスなどの病気に対する抵抗力を強める働きや、皮膚のメラニン色素の生成を抑え、日焼けを防ぐ役割があります。

セラミドは角層細胞間脂質の50%以上の組成をしめる成分であり、皮膚から水分の蒸発を防ぎ守ってくれる役割と、紫外線などの外的な刺激から肌を守ってくれる役割があります。セラミドは年齢と共に減っていってしまう物質となるため、外部から補給してあげる事が必要です。セラミドの補給は主に2つ。食品やサプリメントで補う方法と、直接肌に塗る方法があります。

プラセンタには美肌の素となる5大栄養素(たんぱく質・脂質・糖質・ビタミン・ミネラル)が豊富に含まれています。最近の研究ではエイジングケアやシミ対策としても注目され、季節の変わり目や体調の変化により揺らぎやすい肌の肌質改善にも積極的に使われるようになりました。

──栄養素を効果的に摂取するには

栄養素を摂取する女性イメージ

ではコラーゲンをはじめとした栄養素を効果的に摂取する方法は何でしょうか?まず、栄養素には大きく分けて2つの摂取方法があります。

食品やサプリなどで経口摂取する
化粧品などで肌に塗る

コラーゲンに関しては、ドリンクやサプリメントなどで経口摂取するのが効率的です。以前まで、経口摂取されたコラーゲンは全てがアミノ酸へと分解されてしまうため、美容面でのコラーゲンとしての効果は期待できないのではないかという考えが存在していました。ただ、最近の研究によってコラーゲンの分解により生まれたコラーゲンペプチドが皮膚の細胞に様々な良い効果を示すことが分かってきました。

コラーゲンペプチドとは、コラーゲンが過熱されて分解されたゼラチンからさらに細かく酵素分解されたものです。経口摂取したコラーゲンは、消化段階でアミノ酸に分解されますが、一部はコラーゲンペプチドとして体内のコラーゲンやヒアルロン酸の生成に役立ちます。よって、食品を選ぶ際は小腸で効率よく吸収されるよう、予めコラーゲン分子がペプチド化されたものを摂るのがおすすめです。

さらには、その食品に、ビタミンCなどのコラーゲンの合成や生成をサポートする成分が配合されているかどうかもポイントです。余力があれば、合成原料よりも天然由来のビタミンCを選択したいところ。もちろんビタミンC以外の栄養素も含まれたものであれば、相乗効果も見込めるのでさらに効率的です。

コラーゲンの効果は?摂取するタイミングはいつ?

コラーゲンの具体的な役割は何でしょうか?それらをしっかり理解して、より効果的に摂取する方法を考えていきましょう。継続した使用による、毎日の積み重ねがとても意味のあるものになるようです。

──コラーゲンの効果

コラーゲンはたんぱく質の一種で、アミノ酸がつながったチェーン上のものを組み合わせた三重らせんの構造になっており、骨の内側の柔軟性を保って骨が折れやすくなるのを防ぐ役割もあります。身体を構成するたんぱく質のうち、約30%がコラーゲンといわれており、肌のハリと弾力を保ち、みずみずしい肌状態にする効果があります。

化粧品に配合されているコラーゲンは、肌のうるおいを保つための「保湿成分」に分類されます。肌の水分が逃げないよう角層表面でうるおいを抱え込むと同時に、乾燥部分には水分を分け与えて肌の水分状態をベストに保てるようサポートします。角層の潤いをしっかり保持し、みずみずしさやハリ感を与えてくれる頼もしい成分です。

一方、食品やサプリメントに配合されているコラーゲンは、摂取すると体内でアミノ酸に分解され血管を通して全身に送られます。その後、肌や骨、髪、関節などのコラーゲンが活躍する場所で合成されます。また最新の研究では、低分子化コラーゲンは分子量が小さく身体への吸収率が高いとされています。

──コラーゲンは29種類もある!?

コラーゲンには沢山種類があるのはご存じでしょうか?それぞれ身体の存在している場所や役割が異なっています。現在、人の体内にあるコラーゲンは29種類まで確認されていて、そのうち9種類が肌に存在しています。コラーゲンは発見された順にⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型...と順番に名付けられていき、肌にとって重要な働きをするのがⅠ型コラーゲンです。Ⅰ型コラーゲンは皮膚や骨に多く存在し、美容機能を持つとされています。一方、Ⅱ型コラーゲンは軟骨に多く含まれ、関節炎を抑制する効果が期待されています。

──摂取するのに最適なタイミング

コラーゲンにはオススメの摂取タイミングがあります。就寝前に摂ることで、寝ている間の成長ホルモン分泌による相乗効果が期待できます。また、コラーゲンドリンクやサプリメントの摂取タイミングは特に明記されていないことが多いですが、効果アップを狙うのであれば、自身で飲むタイミングを決めて摂ると良いです。

摂取タイミングの時間イメージ

大切なのは忘れずに摂取すること!必ずしも就寝前でなくても続けやすい摂取タイミングを狙って習慣づけましょう。コラーゲンケアは、とにかく毎日続けることが何より大切です。綺麗の道に近道はありません、毎日の習慣が結果的にあなたのキレイにつながります!

また、習慣化させるためにもドリンクやサプリメントの価格帯は大事です。無理な価格帯では継続が難しく、ストレスが溜まってしまい、お肌に良くありません。自分のライフスタイルに合った価格の範囲で、目的に合わせたコラーゲン商品を見つけましょう。手軽に入手できて気軽に飲めるドリンクタイプや、いつでも忘れないように持ち運びやすいタブレットタイプや、パウダータイプが人気です。

コラーゲンを摂ると身体の負担になるって本当?

美肌の味方コラーゲンですが「多ければ多いほど良い」というわけではありません。摂り過ぎによるトラブルを避けるためにも正しい理解が大切です。

ニキビがある女性イメージ

──コラーゲンの摂りすぎに注意

「美肌に効果的とされているコラーゲン、とりすぎることでニキビの原因にもなるなどの記事も多く出回っています。コラーゲンの過剰摂取がニキビの原因となるというような医学的なエビデンスはありませんが、何事も過剰な摂取はよくありません。多量のコラーゲンを摂取することで素材によっては腎臓や肝臓に負担をかけてしまうことにもなりかねません。

また、偏った栄養摂取は身体全体の栄養バランスを崩し、肌の状態を悪化させてしまう可能性もあります。

美肌のために摂ったコラーゲンが原因で、肌のトラブルを引き起こしてしまっては、せっかく摂った美容成分が台無しです。正しい摂り方と余裕を持ったバランスを心掛けましょう。時には自分の気持ちに正直になって、食べたいものを食べることも大切です。

コラーゲン摂取で美肌を手にいれるには

コラーゲンに限らずお肌の栄養素が偏ることで思わぬ肌トラブルにつながることもあります。ドリンクやサプリメントを利用する場合には下記のことに気を付けてください。

  • ・取扱説明書で一日に定められた量をとり、過剰摂取は避ける
  • ・添加物が少ないもの(砂糖など)を選ぶ
  • ・ビタミンB2やプラセンタ(多くのミネラルやビタミンを含む)など、肌状態を改善する他の成分が配合されているものを選ぶ

コラーゲンに限らず、ドリンクやサプリメントを利用する場合、「多ければ多いほど美肌になれる」と勘違いしてしまいがちなので注意が必要です。短期間に大量に摂取するよりも継続して摂取することが大切です。
商品に定められた摂取量を守るようにしましょう。

またコラーゲンドリンクやコラーゲンサプリメントに含まれる糖分や添加物が吹き出物やニキビの原因となる場合もあります。商品を選ぶ場合には糖分の量に着目するほか、ビタミンやプラセンタなど肌状態を改善する成分の入ったドリンクやサプリメントを選ぶことをお勧めします。

今回は美と健康に関するコラーゲンの知識と効果的な使い方でした。間違った使い方や知識不足がコラーゲンの力を低下させないように、注意して摂取を行っていくことが大切です。正しい摂取タイミングや摂取量をしっかり理解!健康的な肌を目指して生活に無理の無い範囲で楽しいコラーゲン生活を始めましょう。

コラーゲン摂取などを含めたインナーケアとは身体の内側からアプローチする美容法です。栄養不足だけでなくストレスもお肌の敵!健康なお肌づくりには表面上のケアだけでなく、全身のコンディションを整えることが大切です。コラーゲンだけに限らず栄養バランスのとれた食事や適度な運動、十分な睡眠などの生活全般の質を向上させましょう。