肌にハリと弾力を与え、みずみずしく健康的な状態に保つ働きがあるコラーゲン。化粧品やサプリなど様々なコラーゲン商品が販売されていますが、コラーゲンドリンクは効果があるのでしょうか?
今回は、コラーゲンの特徴や体内に摂取される仕組みを解説しつつ、コラーゲンドリンクの効果について紹介していきます。また、コラーゲンを効率よく摂取できる商品を選ぶポイントについてもご案内いたします。
佐藤 薫先生
かおるクリニック院長。日本形成外科学会認定専門医。
昭和大学医学部卒業の後、昭和大学藤が丘病院形成外科・麻酔科、昭和大学形成外科、埼玉県立小児医療センター、虎の門病院形成外科などを経て、自身のクリニックを開業。経験に基づく知識や技術をもとに最新医療を取り入れ、美容皮膚科・形成外科医としてひとりひとりの肌の悩みに応じた治療法を提案。スキンケアの指導にも力を入れている。
肌にハリと弾力を与え、みずみずしく健康的な状態に保つ働きがあるコラーゲン。化粧品やサプリなど様々なコラーゲン商品が販売されていますが、コラーゲンドリンクは効果があるのでしょうか?
今回は、コラーゲンの特徴や体内に摂取される仕組みを解説しつつ、コラーゲンドリンクの効果について紹介していきます。また、コラーゲンを効率よく摂取できる商品を選ぶポイントについてもご案内いたします。
コラーゲンとは体を作るタンパク質の一種です。タンパク質のうち約30%がコラーゲンであるといわれています。体にとって必要不可欠なコラーゲンですが、実は年齢とともに徐々に減っていきます。50代になるとコラーゲンの量は20代の頃の約半分までに低下してしまいます。
また、加齢によってコラーゲンの質も下がります。そのため、良質なコラーゲンが不足し、肌のシワやたるみ、骨粗鬆症などを引き起こす要因となってしまうのです。まずは、コラーゲンを摂取するメリットや、効率的なコラーゲンの摂取方法について知っておきましょう。
──コラーゲン摂取のメリット
コラーゲンには、肌のハリを保つ美容効果はもちろん、関節痛や骨を守るといった健康面での効果も期待されています。
コラーゲンを摂取するメリット
●角層の潤いを保持して、みずみずしい肌状態にする
●軟骨を作り、関節のスムーズな動きを助ける
●骨の内側の柔軟性を保って骨が折れやすくなるのを防ぐ
コラーゲン不足は、加齢が原因である他に、紫外線の浴びすぎによっても引き起こされます。いつまでも健康的でみずみずしい肌を保ためには、不足したコラーゲンを外部から適切に補うことが大切です。
──ドリンクで手軽にコラーゲンを摂取
コラーゲン配合の商品はたくさんありますが、体の内にコラーゲンを取り込むなら肌に塗る化粧品より、食品系の商品の方がおすすめです。
コラーゲンは、「鶏の手羽先」や「軟骨」、「うなぎ」、「牛スジ」、「フカヒレ」といった動物性たんぱく質に多く含まれています。普段の食事から摂取することも可能ですが、サプリやドリンクなどを利用すれば手軽に続けることができるでしょう。食品系のコラーゲン商品のなかでも、特にコラーゲンドリンクはコラーゲンの配合量が多いと言われています。
また、パウダータイプの商品もあり、ヨーグルトやコーヒー、スープ、スムージーなどに混ぜて摂取することも可能です。持ち運びもしやすいため、出先で食事をすることが多い人にはパウダータイプがおすすめです。
「たくさん摂取すれば、その分効果があるのでは?」と考えてしまいがちですが、実はコラーゲンは大量に摂取すればよい、というわけではありません。なぜなら、コラーゲンは摂取したものが体内でそのままコラーゲンとして機能するわけではないためです。
それでは、コラーゲンをきちんと摂取するにはどうすれば良いのでしょうか?コラーゲンの特徴を抑えつつ、コラーゲンを効率よく吸収する方法について解説していきます。
──コラーゲンは体に吸収されづらい?
摂取されたコラーゲンは、まず体内でアミノ酸に分解されてから吸収され、そのあと再度自分用のコラーゲンに作り直されます。そのため、摂取したコラーゲンがすべてそのままコラーゲンとして肌に影響を与えるというわけではありません。
ただし、コラーゲンを作り直すのに必要な「ヒドロキシプロリン」という成分が、天然コラーゲンを採る事で摂取することができます。つまり、コラーゲンの摂取は直接的ではないものの、体内のコラーゲンを生み出すのにとても大切な役割を担っているのです。
──「コラーゲンペプチド」を摂取する
摂取したコラーゲンが効果を発揮するためには、一度体内で分解吸収される必要があります。そのため、なるべく「吸収効率」の良いコラーゲンを摂取すると、より高い効果を期待することができます。
そこで注目したいのが、コラーゲンを低分子化した「コラーゲンペプチド」です。低分子化されていることにより、高分子であるコラーゲンに比べ、格段に吸収効率が高まります。
ちなみに「コラーゲン・トリペプチド」は、最小ユニットまで分解された低分子プロテインのことです。
コラーゲンドリンクには様々なものがありますが、配合量やコラーゲン以外の成分によってその効果は様々です。ここでは、効果の見込めるコラーゲンドリンクの賢い選び方についてご案内していきます。
──配合量に注目
たくさんの商品から選ぶとなると、値段やパッケージに目が行きがちですが、きちんとコラーゲンの配合量に注目して選ぶようにしましょう。コラーゲンの配合量が少なすぎると、効果が表れにくい場合があります。
平均的なコラーゲンの配合量は、1日目安量あたり大体「5,000mg前後」です。商品によってコラーゲンの配合量は、約1,000mgから多いもので約10,000mgと幅があるため、量で迷った場合は1日目安量を基準に選んでみてください。
──ビタミンCや鉄分などサポート成分を含むもの
コラーゲンドリンクを選ぶ際は、コラーゲンのほかにどんな美容成分が含まれているかにも注目してみましょう。美容成分の中には、単体で肌に良い効果が期待できるだけでなく、コラーゲンとの相乗効果を持つものもあります。
例えば、「ビタミンC」や「鉄分」はコラーゲンの生成をサポートする役割を担っているため、一緒に摂取することでより良い効果を期待することができます。成分表をチェックして、これらが含まれているドリンクを選ぶことをおすすめします。
その他、コラーゲンドリンクに配合されていることの多い美容成分と、その特徴をまとめておきます。それぞれの特徴を理解しながら、自分に必要と思われるコラーゲンドリンクを選んでみてはいかがでしょう。
サポート成分
ビタミンC
シミ・そばかすの原因となるメラニン色素の生成を抑える
鉄分
疲れや貧血にも効果がある
ビタミンB群
代謝を促し皮膚や髪の再生を助ける
ポリフェノール
メラニンの生成を抑制し、美白効果も期待できる
セラミド
外部刺激から肌を守るバリア機能のために必要