【2024.01.05】能登半島地震にともなう配送遅延について

「トコフェロールとは?
肌荒れに効く名サポーター」

小澤佑美先生プロフィール

小澤 佑美先生

医学博士、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。現在同じく皮膚科専門医の妹とともに父親の開業するクリニックで皮膚科・美容皮膚科を担当。女性ならではのキメ細やかな診療が信条。日本美容皮膚科学会、女医プラス所属。

近ごろスキンケア化粧品などの成分でよく耳にする「トコフェロール」。
どんな特徴を持ち、どんな効果があるのか?どのような肌悩みのときに取り入れるべきなのか?

今回は、そんな気になるトコフェロールについて、解説していきます。

トコフェロールとは?

──ビタミンEの一種

ビタミンEの効果

ずばり、トコフェロールとは身体の調整作用として欠かせないビタミンEの一種です。
ビタミンの中でも、水に溶けにくくオイルなどに溶けやすいタイプを脂溶性ビタミンと総称しますが、A、D、Kなどと並んでビタミンEも脂溶性という特徴を持っています。
ビタミンEはクロマンと呼ばれる環状部分の構造を持ち、メチル基(有機化合物の構成単位)の位置や有無により、α, β, γ, δ の4種のトコフェロールに分類されます。また、炭化水素の部分に二重結合のあるものはトコトリエノールと呼ばれます。

トコフェロールの化学式

傾向としては、「トコフェロールは持続性のある作用効果が続く、トコトリエノールは即効性のある作用効果がすぐに現れる」と言われています。またトコトリエノールは強い抗酸化作用により「スーパービタミンE」などと表現されることもあります。

ちょっと難しい説明だったかもしれませんが、要するにトコフェロールやトコトリエノールは、ビタミンEの一種と覚えておいてくださいね。

ビタミンEには8種類の同族体

総じてトコフェロールやトコトリエノールは、その抗酸化作用により「若返り成分」と言われることも多く、アンチエイジングの分野などで注目されています。
また、トコフェロールは血行促進作用も認められており、肌組織への栄養分や潤いを補い、健康的な肌づくりや肌荒れ改善効果が期待できることから、スキンケア化粧品に配合されることも多い成分です。主としてα―トコフェロールを酢酸エステル化してつくられる合成物がよく使われています。

トコフェロールの美容効果

──食事などで体内にとりいれる場合

トコフェロールを摂取できる食材イメージ

トコフェロールを多く含む食材は、主に下記のような植物性油脂や種実類です。

■植物性油脂
ハイオレイック(高機能性)ヒマワリ油、ハイオレイックサフラワー(紅花)油、米ぬか油、とうもろこし油、オリーブオイル、ごま油など

■種実類
アーモンド、らっかせい、ぎんなん、くるみなど

トコフェロールには血行促進作用があるので、貧血や肩こりなど女性特有のお悩みの改善、また冬場のしもやけ防止などの効果が期待できます。

──コスメなどで肌からとりいれる場合

トコフェロールの血行促進作用は、血色のいい肌づくりはもちろん、肌のターンオーバーを健全に導きクマやくすみの解消が期待できるため、スキンケア化粧品の成分としても多くとり入れられています。
また、ターンオーバーが健全に機能することを促すため、紫外線ダメージや乾燥などから肌を守る効果が期待されます。
比較的肌への安全性が高い成分のため、フェイスオイルやクリーム、またハンドケアやメイクアップアイテム、洗顔料、シャンプーにまで、多岐にわたって配合されています。

肌のターンオーバー

トコフェロール配合コスメの選び方

化粧品を選ぶ女性イメージ

──主要成分として配合されているものを選ぶ

前述したように、トコフェロールは多くの化粧品に配合されていますので、成分が入ったコスメをみつけるのは比較的簡単です。
しかし、その効果を充分に活かしたいならば、トコフェロールをメインに配合したものを見つけたいところ。そこで、チェック方法を伝授します。
化粧品の成分表示欄を確認してください。この表記は成分の配合量が多い順から記載されていることが一般的です。つまり、前の方に表示されている成分ほど一般的に配合量が多いことを意味します。

逆に、成分表示欄で後ろの方に記載されている場合は、酸化防止成分として少量だけの配合しかされていないことも多いので、化粧品を選ぶときは注意して確認したいところですね。

──同時に使えば効果アップ!併用したい成分

美容意識の高い女性イラスト

成分表示欄をチェックする習慣をつけると、ほかの成分との相乗効果も確認できます。
血行促進作用をもつトコフェロールと相性のよい成分の例をご紹介しますので、気になるお悩み別に使い分けてみてはいかがでしょう。

■プラス保湿成分(ヘパリン類似物質など)

特に目元や口元などの皮膚が薄い箇所に使う場合は、肌細胞を保護する保湿成分が配合されていると、お肌のバリア機能を高め、くすみや肌荒れ対策の効果が出やすくなります。

■プラス美白成分(プラセンタ、ビタミンCなど)

血行促進作用で肌の新陳代謝を高めるトコフェロールと組み合わせれば、シミそばかすを抑えるとともに、ニキビ跡など色素沈着部分の排出作用がスムーズに働くことが期待できます。

いかがでしたか?
健やかで輝く肌づくりのため注目したいトコフェロール。
日々のスキンケアに上手に取り入れてみてくださいね。