TAISHO BEAUTY ONLINE 1st Renewal Campaign

顔の乾燥から卒業したい!
透明感のある肌に近づくための、毎日スキンケア

河村優子先生プロフィール

【監修】 河村優子(かわむら ゆうこ)先生

渋谷セントラルクリニック院長。日本抗加齢医学会専門医、日本レーザー医学会認定医。アンチエイジングをコンセプトに、体のなかと外から痩身や美容皮膚科をはじめとするさまざまな治療に取り組む医師。酒さ(しゅさ)、乾癬(かんせん)、にきび、アトピーなど、皮膚免疫疾患の分野においては、UCLA大学教授と提携したライフスタイルの改善と腸内環境に着目した皮膚治療プログラムを実践中。海外の再生医療を積極的に取り入れ、肌質改善などの治療を行ってきたことから、対症療法にとどまらない先端の統合医療の提供に尽力。

肌が乾燥していることで、メイクのノリが悪いことや粉が吹いているのが気になるなどの経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。肌トラブルがあることで、見た目ももちろんですが、日々の生活にもなにかしら違和感をかかえることも少なくありません。「つっぱった感じになる」、「ちょっとしたことですぐに痛みやかゆみを感じる」といったことも肌の乾燥が原因のトラブルであると考えられます。できれば乾燥を気にせず、明るい気持ちで生活したいものですね。

では、どうすれば顔の乾燥を防ぐことができるのでしょうか。「もともとそういう肌だから」と諦めてしまってはいませんか? 顔の乾燥は毎日の正しいスキンケアで改善することが可能です。まずは正しい知識を身に着けて、今のスキンケアを見直してみましょう。根気強く、時間をかけてケアを続けることで、乾燥によるトラブルに負けない強い肌をつくることができます。以下、詳しくご説明します。

顔の乾燥から卒業したい!透明感のある肌に近づくための、毎日スキンケア

顔が乾燥する原因は?顔の皮膚は薄くてデリケート

体全体を見渡したとき、「なぜか顔だけが特に乾燥する」という方も多いかと思います。なぜ顔と体で違いが出るのでしょうか。

■顔の皮膚は薄い
「顔の皮膚は特に薄い」ということを、どこかで耳にしたこともあるかもしれません。血管が浮き出やすいのも、肌の薄さのためです。もちろん、個人差はありますが、目の周りの表皮は0.02mm~0.06mm程度と言われています。これは体の皮膚の平均値の3分の1ほどであり、他の部位と比較し皮膚が薄い分、顔の皮膚を構成する細胞の数も少ないのです。それゆえ、顔の皮膚が保つことのできる水分も少ないのです。

さらに目元に関して言えば、「皮脂腺」も少ないという特徴があります。「額や鼻の頭がオイリーであっても、目の周りは乾燥している…」といったことが多いのは、このためです。皮脂には肌を守る役割がありますので、皮脂腺の少ない目元では他の場所ほど肌を守り切れていないということになります。また、口元や頬、首も同じく皮脂腺が少ない部位であり、乾燥しやすい部位であると言えるでしょう。

顔の皮膚の説明図

■外気にさらされる部分であること、メイクの繰り返しも原因
皮膚の薄さや皮脂腺の有無以外にも、顔には特有の乾燥リスクがあります。

1.普段から衣類に守られている場所ではないため、紫外線にさらされる頻度が高い
皮膚に紫外線が多く当たることはメラニン色素を過剰に分泌させ、シミやそばかすの原因になるだけでなく、肌の乾燥、肌細胞の劣化や老化をすすめる原因となります。

2.メイクやメイクオフによる刺激を受けやすい
肌にとってメイクや化粧は「刺激」になり得るものです。化粧によって紫外線カットや乾燥を防ぐ役割があるため、一概に「使わないほうがいい」とは言えませんが化粧品に含まれる保存料や香料が肌の常用菌の構成を変えてしまうなど、よくない刺激になることを忘れてはなりません。肌の常用菌の構成がかわることでターンオーバーが狂い、乾燥トラブルを引き起こす原因になることがあります。メイクをした後には「きちんとオフする」ということが重要です。メイクを落とすには普通の洗顔料ではなく、「化粧落とし(クレンジング剤)」を使う必要があります。洗浄成分が強すぎると肌に刺激を与えることになりますし、メイク落としの後、さらに洗顔をしなければなりません。そのため、水分や皮脂がさらに奪われていくことになります。正しい洗顔と、正しい保湿ケアが重要であると考えましょう。

クレンジングと洗顔はスキンケアの基本、次の保湿につなげよう

先に触れたように、クレンジングと洗顔は肌への刺激に繋がり、乾燥リスクを高めてしまう可能性があります。しかし、スキンケアにおいては必ず必要なものです。そのため、「正しいクレンジングと正しい洗顔方法」であることが大切になります。なお、常に「洗顔後の保湿」がセットであることも忘れてはなりません。

クレンジングは肌のタイプに合わせて選ぼう

個人によって肌質が違うように、クレンジングも人それぞれであるため、肌のタイプに合わせて変える必要があります。中には「季節によって乾燥度合いがはっきりと違う」「月経中はとても乾燥する」という方もいるでしょう。そのような場合でも、時期によって対応を変えることができれば、より肌の乾燥リスクが少なくなると考えましょう。

■クレンジングの必要性
メイクをした肌から化粧品の成分をきちんと取り去ることは、非常に重要です。メイクは肌にとって「油汚れ」と同じものですので、「睡眠前には必ず落とす」と言うことは原則として守るようにしましょう。

■肌タイプを診断し、肌質にあったクレンジング・洗顔を目指そう
肌のタイプごとのクレンジング・洗浄の注意点についてご紹介します。

【乾燥肌・混合肌】
◎以下のような肌なら乾燥肌や混合肌だと考えられます

・肌がつっぱる、粉を吹いていることがある(顔全体ではなく、目元や口元など部分的な場合も)
・メイクのノリがイマイチなことが多い
・乾燥する割には皮脂が出てメイク崩れを起こすこともある(肌が乾燥すると、自衛のために皮脂を多量に分泌するケース)
・メイクの成分が刺激となるときがある。敏感肌である

→ 乾燥肌・混合肌の洗顔では、肌にうるおいを残して洗顔を行うということを心がけるようにしましょう。洗顔後に肌がつっぱるようであれば必要な皮脂を落としすぎているかもしれません。洗顔の際に使う水温を下げてみるといいでしょう。アイラインなど、落ちにくいポイントメイクについては事前にコットンに染み込ませたクレンジングなどを使って落とすとよいでしょう。

【普通肌】
日中乾燥やメイク崩れなど特にトラブルはなく、問題なく過ごせる方は普通肌です。普通肌の場合はトラブルのない肌を維持していくために、メイク残りがないよう丁寧なクレンジングを行っていきましょう。また普通肌の人はすべての肌タイプの中でも保水力の高い肌となるので、保水力を保つよう洗顔後の保湿ケアについても続けていくことが重要です。

【脂性肌】
◎以下のような肌なら乾燥肌や混合肌だと考えられます

・メイクのノリはいいのだが、メイク崩れが激しい。一日に何度もメイク直しをしたり、油取り紙を利用したりする
・おでこや鼻の頭が油で「テカる」(テカテカ光ってしまうほど分泌されている)
・小鼻の周りに油が溜まる、メイクしてしばらくすると毛穴が油で光って見える

→ 脂性肌の場合、「メイクをしっかりしなければメイク崩れが気になる」という方が多いため、ついつい洗浄力を重視していまう傾向がありますが、「乾燥から肌を守るために皮脂が過剰に分泌されている」というケースも多く、これを見極めることが必要です。皮脂を奪いすぎずしっかり保湿し、改善状況を見ながら対策を練る必要があるでしょう。

肌タイプの説明

洗顔のポイント、Tゾーンから洗う・こすらない・ぬるま湯で洗う

洗顔は毛穴の汚れ(古い皮脂、古い角質、ホコリや泥などの汚れ、雑菌など)をしっかり落とし、肌の機能を十分発揮するために必要なものです。どれだけ高品質な基礎化粧品を使っても、肌に汚れが残っている状態で利用すれば意味がなくなってしまいます。「顔を洗うと乾燥してしまう」という方も、次のような点に注意して、きちんと洗顔を行うようにしましょう。

■洗顔方法と気を付けるポイント
1.清潔な手で顔全体をぬるま湯で濡らします。
…温度は32度くらいがベスト。いきなり洗顔料を顔に付けないようにしてください。

2.洗顔フォームはしっかりと泡立てます。
…洗浄成分が直接肌につかないよう、水と混ぜ合わせて丁寧に泡立ててください。洗顔料の泡がクッションのような役割になり、顔への刺激も減ります。泡立てネットなどのアイテムを使うのもいいでしょう。

3.Tゾーンから洗います。
…「より皮脂が多い場所」を先に洗い、乾燥しやすい部位は短時間で済ませるようにします。擦らないよう、指の腹で優しく撫でるようにして洗いましょう。ゴシゴシと擦るように洗うと、肌へのダメージが大きくなってしまうため注意が必要です。

4.洗顔料をしっかりと洗い流します。
…最後に、洗顔成分が肌に残らないよう、ぬるま湯で丁寧に洗い流します。もうそろそろ泡が落ちたかな、と感じても、さらに2、3回程度は多めにゆすぐのがコツです。

ゆすぎが終了したら、タオルでポンポンと押さえるようにして水気を取りましょう。できるだけすぐ化粧水(ローション)、乳液などで保湿するようにしてください。なお、肌荒れを起こしている場合も洗顔したほうがいいのですが、強い痛みがある部分は泡をつけず、Tゾーンだけ洗うなど調整するようにしましょう。腫れやかゆみ、湿疹などの症状がある場合には、皮膚科を受診し正しいケアで治すようにしてください。自己流のケアは症状を悪化させることもあります。

洗顔のポイントの解説図

口周り、頬、目元・・・顔のパーツ別おすすめケア

目や口周り、頬は皮脂腺が少ないのでとても乾燥しやすくなっています。普段のケアにプラスアルファしてみましょう。

1.口周りのケア…唇にはリップクリームを。口の周りには保湿効果の高いクリームなどの使用がおすすめです。

2.頬周りのケア…コットンに化粧水をたっぷり吸い込ませ、マスクをして保湿を。5分程度の放置が有効です。

3.目元のケア…保湿クリーム、美容液等を使い、指先でとんとんと馴染ませましょう。時間をかけて浸透させてください。

顔のパーツ別おすすめケア

透明感のある顔をめざす、顔の乾燥を防ぐ毎日のスキンケア

正しいクレンジングと洗顔、保湿ケアまでのセットは、毎日の継続が非常に重要です。見た目には大きな変化がなくても、肌の環境は徐々に整っていきます。逆に「一日くらい…」とクレンジングをサボって寝てしまうと、肌へのダメージが大きくなってしまいます。日々のケアが無駄になってしまうため、クレンジングは毎日必ず行ってください。綺麗な肌が維持できるよう、毎日のスキンケアを習慣付けしていきましょう。

※保湿ケアについては「記事:乾燥肌の皮膚保湿剤 ヘパリン類似物質とは?」を参考にしてみてください。