先に触れたように、クレンジングと洗顔は肌への刺激に繋がり、乾燥リスクを高めてしまう可能性があります。しかし、スキンケアにおいては必ず必要なものです。そのため、「正しいクレンジングと正しい洗顔方法」であることが大切になります。なお、常に「洗顔後の保湿」がセットであることも忘れてはなりません。
クレンジングは肌のタイプに合わせて選ぼう
個人によって肌質が違うように、クレンジングも人それぞれであるため、肌のタイプに合わせて変える必要があります。中には「季節によって乾燥度合いがはっきりと違う」「月経中はとても乾燥する」という方もいるでしょう。そのような場合でも、時期によって対応を変えることができれば、より肌の乾燥リスクが少なくなると考えましょう。
■クレンジングの必要性
メイクをした肌から化粧品の成分をきちんと取り去ることは、非常に重要です。メイクは肌にとって「油汚れ」と同じものですので、「睡眠前には必ず落とす」と言うことは原則として守るようにしましょう。
■肌タイプを診断し、肌質にあったクレンジング・洗顔を目指そう
肌のタイプごとのクレンジング・洗浄の注意点についてご紹介します。
【乾燥肌・混合肌】
◎以下のような肌なら乾燥肌や混合肌だと考えられます
・肌がつっぱる、粉を吹いていることがある(顔全体ではなく、目元や口元など部分的な場合も)
・メイクのノリがイマイチなことが多い
・乾燥する割には皮脂が出てメイク崩れを起こすこともある(肌が乾燥すると、自衛のために皮脂を多量に分泌するケース)
・メイクの成分が刺激となるときがある。敏感肌である
→ 乾燥肌・混合肌の洗顔では、肌にうるおいを残して洗顔を行うということを心がけるようにしましょう。洗顔後に肌がつっぱるようであれば必要な皮脂を落としすぎているかもしれません。洗顔の際に使う水温を下げてみるといいでしょう。アイラインなど、落ちにくいポイントメイクについては事前にコットンに染み込ませたクレンジングなどを使って落とすとよいでしょう。
【普通肌】
日中乾燥やメイク崩れなど特にトラブルはなく、問題なく過ごせる方は普通肌です。普通肌の場合はトラブルのない肌を維持していくために、メイク残りがないよう丁寧なクレンジングを行っていきましょう。また普通肌の人はすべての肌タイプの中でも保水力の高い肌となるので、保水力を保つよう洗顔後の保湿ケアについても続けていくことが重要です。
【脂性肌】
◎以下のような肌なら乾燥肌や混合肌だと考えられます
・メイクのノリはいいのだが、メイク崩れが激しい。一日に何度もメイク直しをしたり、油取り紙を利用したりする
・おでこや鼻の頭が油で「テカる」(テカテカ光ってしまうほど分泌されている)
・小鼻の周りに油が溜まる、メイクしてしばらくすると毛穴が油で光って見える
→ 脂性肌の場合、「メイクをしっかりしなければメイク崩れが気になる」という方が多いため、ついつい洗浄力を重視していまう傾向がありますが、「乾燥から肌を守るために皮脂が過剰に分泌されている」というケースも多く、これを見極めることが必要です。皮脂を奪いすぎずしっかり保湿し、改善状況を見ながら対策を練る必要があるでしょう。
洗顔のポイント、Tゾーンから洗う・こすらない・ぬるま湯で洗う
洗顔は毛穴の汚れ(古い皮脂、古い角質、ホコリや泥などの汚れ、雑菌など)をしっかり落とし、肌の機能を十分発揮するために必要なものです。どれだけ高品質な基礎化粧品を使っても、肌に汚れが残っている状態で利用すれば意味がなくなってしまいます。「顔を洗うと乾燥してしまう」という方も、次のような点に注意して、きちんと洗顔を行うようにしましょう。
■洗顔方法と気を付けるポイント
1.清潔な手で顔全体をぬるま湯で濡らします。
…温度は32度くらいがベスト。いきなり洗顔料を顔に付けないようにしてください。
2.洗顔フォームはしっかりと泡立てます。
…洗浄成分が直接肌につかないよう、水と混ぜ合わせて丁寧に泡立ててください。洗顔料の泡がクッションのような役割になり、顔への刺激も減ります。泡立てネットなどのアイテムを使うのもいいでしょう。
3.Tゾーンから洗います。
…「より皮脂が多い場所」を先に洗い、乾燥しやすい部位は短時間で済ませるようにします。擦らないよう、指の腹で優しく撫でるようにして洗いましょう。ゴシゴシと擦るように洗うと、肌へのダメージが大きくなってしまうため注意が必要です。
4.洗顔料をしっかりと洗い流します。
…最後に、洗顔成分が肌に残らないよう、ぬるま湯で丁寧に洗い流します。もうそろそろ泡が落ちたかな、と感じても、さらに2、3回程度は多めにゆすぐのがコツです。
ゆすぎが終了したら、タオルでポンポンと押さえるようにして水気を取りましょう。できるだけすぐ化粧水(ローション)、乳液などで保湿するようにしてください。なお、肌荒れを起こしている場合も洗顔したほうがいいのですが、強い痛みがある部分は泡をつけず、Tゾーンだけ洗うなど調整するようにしましょう。腫れやかゆみ、湿疹などの症状がある場合には、皮膚科を受診し正しいケアで治すようにしてください。自己流のケアは症状を悪化させることもあります。