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【肌のトラブル】肌の赤みを抑えるには?
赤みの原因とスキンケアについて

【監修】 河村優子(かわむら ゆうこ)先生

渋谷セントラルクリニック院長。日本抗加齢医学会専門医、日本レーザー医学会認定医。アンチエイジングをコンセプトに、体のなかと外から痩身や美容皮膚科をはじめとするさまざまな治療に取り組む医師。酒さ(しゅさ)、乾癬(かんせん)、にきび、アトピーなど、皮膚免疫疾患の分野においては、UCLA大学教授と提携したライフスタイルの改善と腸内環境に着目した皮膚治療プログラムを実践中。海外の再生医療を積極的に取り入れ、肌質改善などの治療を行ってきたことから、対症療法にとどまらない先端の統合医療の提供に尽力。

「ケガや傷があるわけではないのに、肌の赤みが消えない」、「赤みだけでなく、痒みや違和感にも悩まされている」といった問題を抱えられている方もいるでしょう。実は、敏感肌の多くの人が、顔のいずれかの部位にある赤みについて悩んでいるとも言われています。そこで今回は、「頬にムラのある赤みが広がっている」、「小鼻の周りだけ赤い」、「毛穴が赤く目立ってしまう…」といった症状にはどう対応すればいいのか、原因を分析しながら解説していきます。症状を改善するためのセルフケアだけでなく、赤ら顔を目立たなくするメイクや、皮膚科での治療についてもまとめました。


肌の赤みの原因は?肌細胞のメカニズムと体質について

肌の赤みを引き起こす直接の原因は、肌の炎症と、それを治そうとする体の働きと言えます。このメカニズムについて、詳しく説明します。

肌が赤くなるメカニズム

なぜ肌の一部分だけが赤くなるという症状が起きるのでしょうか。これは、肌質や肌の状態が大きく関係しています。

■どのような人が肌の赤みが出やすい?
赤みの原因の多くは炎症であり、敏感肌の方に多くみられる症状だと言われています。ただし、症状がでるのは皮脂の少ない部分とは限らず、逆に皮脂の分泌が激しい部位である場合もあります(脂漏性皮膚炎)。乾燥した肌を守るために皮脂が過剰に分泌されることもあるため、敏感肌・乾燥肌であるかどうかの判断には注意が必要です。

■肌の赤みや異常を引き起こす原因
赤みが起こる原因として考えられるのは、肌バリアがきちんと機能せず、肌が刺激を受けてしまうことです。「肌バリア」とは、角質層が細胞やその周りに水分や油分を保持し、肌を保護する機能を持つことを言います。肌バリアは水分が失われると機能しなくなるため、直接外部の刺激にさらされることになるのです。また、ニキビ、日焼け、湿疹などの皮膚トラブルも、その後に赤みが残る原因になることがあります。


■物理的な刺激が赤みに繋がることも
肌バリアがきちんと機能していない肌は、本来問題がないと思われるような少しの刺激でも炎症を起こし、赤みに繋がる場合があります。

【肌に赤みが発生する原因】

・かゆみや、ちくちくする衣類を身に着けたとき
・外気や風に継続して触れたとき
・薬品や洗剤などにかぶれたとき
・カミソリの刃など鋭利なものを使用したとき
・洗顔のしすぎなどでターンオーバーが早まり、未熟な肌細胞が表面に出ている場合

■物理的な刺激以外の赤みの原因
物理的な刺激がない場合にも、肌に赤みが発生することがあります。強いストレスを受けたとき、生理中などホルモンバランスが大きく崩れたときなどです。また、アトピーの方も、体調が崩れたときなどに症状が強く出ることがあります。

その他、皮膚の病気で赤みが発生することもありますが、これについては美容を越えての治療が必要であったり、皮膚以外の場所に原因があったりすることもあります。上記で説明した原因に心当たりがなく赤みがひどい場合には、必ず医師の診断を受けるようにしてください。

血管や血液が原因?

肌の赤みは炎症が原因ですが、「その炎症を治そうとする体の仕組み」がさらに赤みを呼ぶこともあります。

■肌を回復させようと毛細血管の動きが活発になる
血管は血液を運ぶ管のことですが、その血液にはたくさんの栄養素や新鮮な酸素などが含まれています。血液が体の隅々にまで行き渡ることで、末端部分を怪我したとしても、しっかりと回復するのです。

炎症が起きている場所についても、同じことが起きます。さらに、毛細血管は普段より多くの血液を送ろうとして、血管を拡張し、血液が活発に回る状態となります。そのため、見た目は火照ったように赤く見えるのです。炎症が治ればこの血液の動きも落ち着き、血管も収縮してもとに戻ります。しかし、乾燥肌の場合は肌バリアが弱く炎症が繰り返されているため、「火照ったまま」のような状態が続いてしまうのです。このことから、「まずは乾燥肌を改善させる」ということが、非常に重要であることがおわかりいただけるでしょう。
※保湿ケアについては「記事:乾燥肌の皮膚保湿剤 ヘパリン類似物質とは?」を参考にしてみてください。

■「赤面症」という病気の場合も
「赤面症」という病気があります。これは社会不安障害(対人恐怖)のひとつであり、他人に注目されることに対する恐怖心から赤面や手足の震え、動悸や吐き気などを発症するものです。薬物療法と心理療法が用いられます。「普段はそれほど赤みがないのに、人と会うとなると恐怖心が増し、顔が赤くなる」という方は、まず心療内科や精神科にて相談することを検討してください。判断がつかないという場合には、まず皮膚科へ相談しても問題ありません。

脂漏性皮膚炎やニキビは皮膚科での治療がおすすめ?皮膚の赤みの対処法

では、皮膚の赤みにはどのように対応したらよいのでしょうか。

脂漏性皮膚炎からくる肌の赤み

「脂漏性皮膚炎」が原因の赤みの場合についてご説明します。

■脂漏性皮膚炎とは
皮脂の分泌が活発な場所から「フケ」が出て、赤みやかゆみを伴う皮膚炎です。髪の毛の生え際、耳の後ろ、鼻の脇などが多いのですが、顔全体に出る場合もあります。女性よりは男性に多い症状です。

■有効な対処法
まずは皮膚科を受診しましょう。脂漏性皮膚炎の原因はいくつかありますが、近年はマラセチアというカビ(真菌)の一種が原因であるという説が有力です。マラセチアが原因である場合、自然治癒は難しいものになります。症状が軽いうちにきちんと薬を使ったほうが、早く改善します。

なお、ホルモンバランスの崩れや肌の洗いすぎ、健康的ではない食事による腸内環境の乱れも脂漏性皮膚炎を起こす要因とされています。受診後は生活リズムを崩さないように気を付け、脂漏性皮膚炎を起こしている部分はあまり刺激しないよう、最低限の洗浄で済ませるようにしましょう。

ニキビによる肌の赤み

「ニキビ」が原因の赤みの場合についてご説明します。

■ニキビが原因による肌の赤みとは
ニキビとは、毛穴に皮脂が溜まり、そこに「アクネ菌」という菌が繁殖して炎症を起こすことによりできる発疹のことです。毛穴周辺の肌は炎症のために赤くなります。また、炎症の度合いによってはかなり広い範囲まで赤くなります。


■有効な対処法
肌を清潔にし、十分な保湿して、膿がでやすいよう肌を柔らかくしておく必要があります。日常的なケアで改善しない場合は早めに皮膚科を受診して、ニキビ用の薬を利用することを相談してみましょう。なお、洗いすぎると肌を守るために再び皮脂が分泌されてしまいますので、気を付けてください。

ニキビがさまざまな場所に繰り返しできるのは、皮脂の分泌量が多いことが問題です。皮脂の分泌量はホルモンバランスの乱れが原因であることも多いため、栄養バランスの良い食事を摂り、十分な睡眠時間を取るなどして生活を整えることから始めましょう。

「膿が溜まって白くなったら自分で膿を出す」という方もいますが、刺激の与え方によっては色素が沈着し、ニキビ跡として残ってしまいます。時間をかければ自然に回復しますが、なかなか治らない場合には皮膚科できちんとした治療を受けるようにしましょう。

その他、病気が原因で肌が赤くなる場合

「酒さ」(しゅさ)や光線過敏性皮膚症、アトピー性皮膚炎など病気が原因で肌が赤くなるケースもあります。

■酒さ
鼻を含む顔の中央一帯が、赤く腫れあがる病気です。はっきりした原因は不明ですが、発症範囲が広いことと、30~50歳で症状が強く出ることで「普通のニキビとは違う」と判断できることもあります。ただの大人のニキビとも捉えられることがあるため、ニキビの症状がひどく長期間続く場合には、皮膚科を受診してみてください。症状によって治療方法は異なりますが、内服用抗菌薬の投与やレーザーでの治療が必要になる症状もあります。


■光線過敏性皮膚症
「日光アレルギー」とも呼ばれます。日光などの普通の光で、皮膚になんらかの症状が現れる病気です。ただし、光線過敏性皮膚症にはさまざまな種類があり、別の症状とも合わせてどの病名であるかを確定し、対処していく必要があります。たとえば、遺伝性の場合は「色素性乾皮症」、アレルギー性の場合は「光接触皮膚炎」や「光線過敏型薬疹」などに分類されます。中高年になってから発症する「晩年性ポルフィリン症」などもあり、発症に年齢は関係ありません。日光を受けた後、肌に強い違和感がある場合には、できるだけ早く皮膚科を受診するようにしてください。


■アトピー性皮膚炎
アレルギー体質の人や乾燥肌の人、肌の細菌バランスが崩れている人がなりやすい病気です。免疫も絡むものですので、完全に治癒することは難しく、症状が強く出ないよう上手に付き合っていくことが重要なポイントとなります。

・炎症が強く出る場合には、薬物療法で素早く症状を抑える
・肌バリア機能を保つため、普段から保湿を重視したスキンケアを続ける
・アレルギーの原因となるものを生活から減らす

この3点で、日常生活に支障が出ないよう症状をコントロールするという考えが主流となっています。

肌の赤みを目立たなくするには?低刺激のスキンケアとメイク方法

肌の赤みの原因の多くは「炎症」であることがおわかりいただけたかと思います。できるだけ刺激を与えないことが重要です。

スキンケアのポイントは洗顔と保湿

赤みを治すため、日々のスキンケアにおいては洗顔と保湿がとても重要です。それぞれのポイントについてご説明します。

■洗顔
洗顔自体が肌に刺激を与えてしまうものですが、余分な皮脂を取り去り雑菌の繁殖を抑えるためにも、洗顔は欠かせません。

・お湯の温度は32度程度
・洗顔料はお湯と混ぜながらしっかり泡立て、肌に洗顔成分が直接つかないようにする
・洗う時も拭くときもごしごし擦らない
・洗顔成分を残さないようしっかりすすぐ

ということを重視しましょう。また、洗顔は朝1度、夜1度以上行う必要はありません(医師の指示がある場合は従うようにしてください)。

■保湿
皮脂の分泌が多い場合にも、しっかりと保湿しましょう。既にご説明したように、肌の乾燥が皮脂の分泌量を増やしている可能性もあります。

・肌を叩くようにしてつけるのでなく、優しく手の平全体、指全体で押しこむようにつける
・ヒリヒリするなど、刺激を感じる基礎化粧品は避ける(敏感肌用を選ぶなど)
・雑菌が繁殖する危険性もあるため、基礎化粧品は開封後、3ヶ月から半年以内に使い切る

「紫外線のダメージを与えない」ということも非常に重要です。外に出る際には紫外線対策を忘れないようにしてください。


メイクで肌の赤みを消すにはブルーやグリーンのメイク下地がおすすめ

肌の赤みは気になりますが、できるだけメイクなどで刺激を与えないことが回復への近道です。どうしてもメイクをしなければならない場合には、ブルーやグリーンなどカラー付き下地を選びましょう。ピンク系は避けてください。

乾燥を防ぐ上では、パウダーファンデーションよりもクリームファンデーションのほうが保湿力は高くなるためおすすめです。ただし、パウダーファンデーションは肌の炎症を悪化させにくいため、状況に応じて使い分けることが重要といえます。ファンデーションを厚く重ねるよりは、薄く塗ったファンデーションにパウダーを利用するほか、気になる部分にコンシーラーを乗せ、パウダーでぼかすなどの方法を試してみましょう。

肌の赤みを少なくするためには、「乾燥肌の改善」が非常に重要ですので、毎日の保湿で症状を少しずつ軽くしていきましょう。生活習慣の改善も非常に有効です。ただし、症状によっては皮膚科の受診が必須となります。「肌のことだから」と後回しにすることなく、できるだけ早めに対応するようにしましょう。

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